クロマグロ規制「50%削減」いくらでも抜け道が…

2014年03月15日 11時00分

 林芳正農水相(53)は11日の閣議後の記者会見で、クロマグロの未成魚(3歳以下)の漁獲量を大幅に削減することに触れ「マグロ価格の上昇など消費者への直接的な影響は想定しがたい」と述べた。理由として、国内で供給されるマグロ類全体に占めるクロマグロの割合が5%程度にとどまっていることを挙げた。

 水産庁は10日、北太平洋のクロマグロの生息数を回復させるため、2015年以降、未成魚の漁獲量を02~04年の平均から50%削減すると発表した。

 この規制によってクロマグロの数は回復するのか。NPO法人「魚食文化の会」代表で、東京都中央卸売市場でマグロ仲卸「鈴与」を営んでいる生田與克氏はこう語る。

「今回の規制は、今までの水産庁の姿勢からすると、遅きに失しているとはいえ、評価はできると思います。でも、本来ならマグロの幼魚の全面禁漁に踏み切っても、おかしくない状態です」

 規制を発表したものの、ここからが大変だ。漁業界との調整をどうつけるかが、大きな課題となる。クロマグロを回復させないといけないが、漁業者らは収入が減ってしまう。反発は必至だ。

 生田氏は「今まで取っていたものを取れなくされるんですから、業界側も必死です。多分、水産官僚がやるのは、この規制があっても、ないものとする手法です。『自分たちはやったんだ!』というスタンスを作るってことです。具体的になっているのは50%削減という目標だけで、大事なのはこれをどう管理し、どうやって50%を守らせるのかという点です」と指摘する。

 きちんと管理するには、IQ(漁獲枠個別割当)制度を導入する以外、実現性はないという。IQとは、あらかじめ漁獲枠を漁業者に割り振っておくもの。与えられた枠内で利益の最大化を目指すことになるため、安い小魚を大量に取らず、高価で大きな魚を少量取ることになる。

「管理制度にまで言及したとしたら、彼らも本気なのか!と理解できますが、この先、『自主管理を促す』とか『TAC(総漁獲可能量)で管理』と言い出したら、それはやる気がないってこと。いくらでも抜け道を作れます」(同)

 消費者も生産者もどこかで我慢しなければ、将来、クロマグロが食べられなくなってしまう。