京都遊郭跡に“日本初”の旅館開業 「妓楼」に泊まってタイムスリップ満喫

2020年11月18日 11時36分

妓楼を残そうと奮闘する政倉さん

 令和の時代に入り昭和に建てられた建築物が次々と姿を消している。かつての妓楼(ぎろう=女郎屋、遊女屋)も年月を重ねるごとに取り壊しが進んでいる。

 そんな中、妓楼を残すために尽力しているのが中国出身の政倉莉佳さんだ。京阪本線の橋本駅近くを流れる大谷川に沿うようにして並ぶ「橋本遊郭跡」(京都・八幡市)に残されていた元妓楼の物件を購入し、旅館「橋本の香」を開業。同時にマッサージ店「漢方エステ 古民家サロン」も営んでいる。

 政倉さんは中国・青島から33年前に来日。「元オーナーは、旦那さんがもう亡くなってて、老人ホームに入ったので使わなくなってしまいました。『ホームには、こういうもの持っていけないから』ということでしたね。泊まれる部屋は16あって30人泊まれます。中国人の従業員と米国人の旦那がマッサージを担当しています」と語る。

 日本国内には、妓楼建築を宿泊可能な施設にしているところはいくつかあるが、旅館とマッサージを一緒にやっているところはないようだ。

 今でも橋本駅前にあるのが検番を兼ねていた歌舞練場だ。明治43年に京阪本線が開業すると、電車で来る客が増えた。昭和33年の売春防止法施行前には75軒の妓楼が並び、252人の遊女がいた。遊郭跡のある本通りを歩いているとタイムスリップしてしまったかのように感じられる。

「リフォーム代が2000万円くらいかかり、1年がかりで改装しました。ボロボロで畳に足を乗せると踏み抜くほどでした。畳は99枚買いました。私は歴史的な文化やこのような古い建物に大変興味があり、こういった街並みは残さなければいけないと思っています。壊したらもうおしまいですよね。最近、3軒先にある建物も買いました。旦那もこういう建物が好きなんです」

「橋本の香」は1人1泊3500円、2人だと5000円。「漢方エステ」でのマッサージや火療は1時間2800円から。見学撮影も可能で500円だという。

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