10月の自殺者2000人超え 女性が前年同月比「82.6%増」の背景

2020年11月12日 11時39分

警察庁の入る中央合同庁舎2号館

 警察庁発表の速報値によると、10月の自殺者数は2153人で、前年同月比39・9%(614人)増。男女別では男性が同21・3%増の1302人、女性が同82・6%増の851人となり、女性の増加が際立っている。

 自殺者数は過去最多の2003年(3万4427人)をピークに、10年以降、今年6月までは前年比で減少傾向にあったが、7月以降は増加。今年1~10月の総数も1万7219人となり、前年同期より160人増となった。

 女性増加の要因としては、新型コロナの影響による非正規雇用の雇い止め(失業)が指摘されている。総務省の労働力調査の最新データでは、今年4月以降、非正規雇用者は減少を続け、9月だけで123万人が減少し、うち6割の73万人が女性だった。

 家族問題評論家の池内ひろ美氏は女性の増加について「特に非正規雇用を切られた1人暮らしの女性は家賃が払えなくなるので生活が立ち行かなくなり、不安が募る。コロナという不測の事態になって最初に解雇されるのは“調整弁”である非正規の人々。政府の一律10万円給付はスピード重視で仕方ないが、今後は所得制限をもうけて支給するなど、思い切った施策をしないと自殺者は増えますよ」と語る。

 自殺の理由は様々だが、女性は無職が目立ち、独身、1人暮らしのほか、コロナ禍に伴う家庭問題を抱えていたケースも増えているという。

「夫婦や子供がいれば、この人のために死ねないという生きる目的になるが、単身者はコロナ禍で心配してくれる人もそばにいない。親密な人間関係もできず精神的にもろくなる。女性の未婚率が高くなっていることも背景にはあるでしょう。一方で、同居人がいる人の場合は、家庭内でDVやモラハラが表面化したり、コロナ鬱が症状として出たりして自殺につながったのではないか」と池内氏はみている。

【関連記事】