神奈川・横浜市立野毛山動物園で、アミメキリンの「テビチ」(オス15歳)が原因不明で急死した。同動物園では1年前にもメスのキリンが急死したばかり。知られざるキリンの生態とテビチの死因は――。

 テビチは21日朝8時ごろ、飼育舎内でぐったりと横たわっているのが発見された。鈴木浩園長は「キリンは立たせるか、首を持ち上げてあげないとうっ血したり、息ができなくなる。職員がチェーンで立たせようとしたが、自ら起き上がろうとしては、起きられずを繰り返し、午後5時過ぎに心肺停止状態になった」と振り返る。

 頭部左角から出血がみられ、転倒した際、壁にぶつけたとみられる。ただこれは直接の死因ではない。

「角は硬く、解剖でも脳や内臓、足の関節等に異常は見られなかった。なんらかのアクシデントで転倒し、横になってしまったことが原因とみられる」(同園長)

 同園では昨年3月にマリン(メス15歳)が、屋外展示中に心臓まひで死んだ。キリンの寿命は15~25歳といわれるが、2頭ともに飼育管理下では若すぎる死だった。今後は病理検査で詳しい死因を特定するが、相次いだ急死劇には、環境変化によるストレスの可能性も指摘されている。

 キリンの展示場は、今年1月から改修工事で来月まで屋外展示は見送られていた。

「草食動物のキリンは、襲われる警戒から一晩で20分程度しか眠らないほど神経質。個体差はあるものの工事のちょっとした音にも過剰に反応し、ストレスを感じた可能性はゼロとはいえない」(他の動物園キリン飼育担当者)

 横浜市動物園課は「獣医から工事の影響はないと聞いている」と外的ストレスが原因との見方は否定したものの、2年連続のキリン急死にショックは隠せない。