陸上の「性的盗撮問題」が深刻化 被害者を悩ませる2つの行動

2020年10月20日 11時03分

女子アスリートへの被害が深刻化している

 女子アスリートが性的な画像と言葉で傷つけられる被害が深刻化している。今年8月、性的な意図で撮影された写真がネット上に拡散される被害を複数の現役女子選手が日本陸上連盟アスリート委員会へ相談。これを受け、日本オリンピック委員会(JOC)は他の競技団体とも連携して協議を開始した。籾井圭子常務理事は「競技者が安心して競技に臨める環境をつくることがスポーツの価値を高める」と力を込めるが、実情はどうなのか。

 選手の訴えを受けた日本陸上連盟の風間明事務局長は「看板を出して注意喚起したり、角度的に狙われやすい場所を禁止エリアにする工夫もしているが、多くの方がスマホを持っている時代。なかなか撲滅に至っていない」と切実に語る。

 風間氏によると被害は2パターンあり、一つは望遠レンズを使って下半身や胸を狙うもの。これに関しては盗撮行為か否かの見分けが難しく「誤認だけは絶対にしてはいけない。逆に名誉毀損で訴えられてしまう」と頭を抱える。

 もう一つは写真ではなく「文字」による被害だ。これが実にやっかいで、卑猥な言葉で女子選手が傷つけられた“事件”が9月に起きた。無観客で開催された陸上の日本学生対校選手権(新潟市)は来場できない人々のためにライブ配信されたが、その応援メッセージ欄に選手への性的な意図の書き込みが相次いだ。被害を受けた選手は「性的なコメントが多かった」「親とか見ていたら本当につらい」「知り合いに指摘されて気付いた」と答えている。

 解決策について風間氏は「暴力やドーピングと同じように人として卑劣なこと、犯罪行為であるという風潮をつくることが大事」と力説。「スポーツの美と表現に『常識』を持ってほしい。時間をかけ、諦めずにやり続けることが訴えて来た選手に対する我々の役目」と続けた。一連の行為を非難する“自粛警察”が増え、周囲が自主的にパトロールするムードが広まれば、撲滅につながるという図式は生まれるのか。

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