最高裁〝待遇格差容認〟判決で同一労働同一賃金どうなる?

2020年10月15日 06時15分

 労働者は一体どうすればいいのか? 正社員と非正規雇用の待遇格差が争われた訴訟で、13日に最高裁の判決が2件続けて出たが、働き方改革に水を差しかねない内容となっていることに、懸念が広がっている。

 1件目は大阪医科大でアルバイトをしていた女性が、賞与(ボーナス)の支払いを求めていた訴訟で、最高裁は「不合理な格差には当たらない」と訴えを棄却した。

 2件目は東京メトロの売店で約10年働いた契約社員らが、退職金を求めた訴え。最高裁はこちらについても「不合理な格差には当たらない」とした。

「バイトにはボーナスを払わなくていいし、契約社員には退職金はいらない」と言わんばかりの判決となったわけだ。格差社会の拡大が大声で叫ばれる昨今は「同一労働同一賃金」の議論が盛んだったはず。しかし、今回の判決は労働者には厳しいものだ。最高裁判決で今後の職場はどうなるのか。

 ある社会保険労務士は「影響は大きい。この判決をタテに、非正規にはボーナスや退職金を『払わない』という会社が増えるでしょうね。類似の訴訟があっても、労働者に不利な判決になることが考えられる。非正規の人たちのモチベーションは、低下するはずです」と指摘する。

 そもそもこの訴訟は、原告側が勝てる見込みは薄かったという。

「働くときに正社員ではないと了解して契約を結んでいるでしょうからね。また、正社員とバイトでは採用試験の難易度や選抜方法が違います」(同)

 この状況で非正規で働く労働者はどうすればいいのか。「今は売り手市場なので、選ばなければ正社員の枠はあります。もし、東京五輪が中止となったら採用は一気に冷え込みますので今がチャンス。正社員を目指すべきでしょう」(同)というが、もちろん、それも簡単ではない。