【都知事選を私はこう見る(2):前田日明氏】候補者を見ると、どいつもこいつもって感じだね。小泉さんが突然、出てきて、子飼いの安倍首相を見限ったというけれど、2人が何をやったかを思い出した方がいいよ。

 小泉政権の郵政民営化で、日本の郵便貯金は米国の食い物にされたのをみな忘れている。小泉政権が5年半もの長期間、維持できたのも、米従属外交に徹していたからにすぎない。安倍首相も“戦後レジームからの脱却”といって、本当の独立国家を目指すと息巻いているが、憲法改正なんてできっこない。

 サンフランシスコ講和条約の英文をよく読めば、国際法上、日本はまだ米国の占領下にある。中国が尖閣諸島に攻め込んできて、自衛隊が一発でも撃った瞬間に、サンフランシスコ講和条約違反になる。講和条約や日米地位協定の見直しができるかって話なのにTPPに加盟して、今度は日本の個人金融資産1500兆円が米国に吸い上げられ、米国の51番目の州に名実ともになろうとしている。

 米国べったりの2人が本当にケンカするハズがない。米国と何か裏交渉するためのマッチポンプで、ひと芝居打っているとしか思えない。細川さんなんて、世間知らずのボンボンだから、だまして連れてくるにはもってこい。前の連立政権の時と同じだよね。もし安倍首相がうまく立ち回って、日本の国益のために米国をダマしているなら大したもんだけど。

 候補者でマシなのは田母神さんかな。航空幕僚長まで務め上げ、組織をまとめる力はある。ただこっちもバックが悪い。石原(慎太郎元都知事)さんは「NOと言える日本」なんて言っていたけれど、結局は自分がお金を欲しいだけで、米国に相手にもされていない。自分が後継指名した猪瀬(直樹前都知事)さんが問題を起こしたせいで都知事選になっているのに、またノコノコと出てくるなんて全く懲りていない。“第2の猪瀬”が欲しいだけ。田母神さんには「石原さんには、気をつけてくださいよ」と言いたいね。

(リングスCEO)