東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に出馬する細川護熙元首相(76)の選挙戦略が見えてきた。告示前日に出馬記者会見を開く、究極の“後出しジャンケン”に続く作戦は、支援する小泉純一郎元首相(72)が期間中の街頭演説にフル参戦するというのだ。

 細川氏は、14日に小泉氏とのツーショットで取材に応じて以降は表舞台に出てきていない。事務所は構えているもののホームページはトップページのみで、具体的な政策は言及せず。ツイッターのアカウントも細川氏は開設したが、連動していた小泉氏のアカウントは、事務所間の調整ミスからなりすまし疑惑が持たれ、一時停止となるドタバタとなった。

 もっとも陣営側は計算ずくだ。告示前に討論会参加や露出を控えているのは、ネガティブキャンペーンにさらされるのを防ぐためで、22日の記者会見以降は解禁する。

 中でもインパクトが大きいのは、小泉氏との絡みだ。各世論調査で自民、公明党が推す舛添要一元厚労相(65)が優勢と伝え聞いた小泉氏は「勝負だ!」とヤル気を倍増。当初は選挙期間中の街頭演説会や個人演説会への協力は「できる限り」だったが、休みなしでの連日参戦を申し出てきたという。

 23日の第一声は、東京・渋谷のスクランブル交差点に設定。連日、人の集まる駅前を中心に街頭演説会は開催される予定で、小泉氏とのツーショットで聴衆の注目を引きつける作戦だ。

 2人は都知事選を織田信長が今川義元を討ち取った「桶狭間の戦い」に位置づけており、事務所にも書を掲げているほど。告示前の静けさとは一転、期間中は怒とうの急襲作戦で、郵政選挙時のような聴衆を興奮のるつぼに陥れた小泉劇場の再演を狙っているが――。