米中スパイ戦争が過熱 「諜報活動のカギ」は民間人?

2020年10月07日 11時30分

菅首相(右)と会談したポンペオ米国務長官(ロイター)

 菅義偉首相は6日、ポンペオ米国務長官と首相就任後、初めて官邸で会談した。日米同盟をさらに強化し「自由で開かれたインド太平洋」構想の理念を共有するオーストラリアなど「同志国」とも緊密に連携することで一致した。ポンペオ氏は、来夏の東京五輪・パラリンピックの開催について「全面的に支持する」と伝えた。

 国際社会で影響力を強める中国の動向についても意見交換。厳しさを増す地域情勢に関する認識を共有し、地域や国際社会の安定の基盤としての同盟を強化する方針を申し合わせた。

 その裏では、大統領選で何としてでも当選したいトランプ大統領と、それを阻止したい中国の情報戦が活発化している。

 中国事情通は「トランプ大統領は対中姿勢を厳しくすることで、11月の大統領選に有利になるように働きかけようとしています。そのために、中国系米国人の余茂春(マイルズ・ユー)博士がポンペオ国務長官の対中政策首席顧問に就いています」と言う。

 余茂春氏(58)は米大学で教授職を務め、中国共産党批判を繰り返している。中国メディアは余氏を「裏切り者」などと批判している。

「余氏は中国政府の中枢に情報源を持ち、対中政策に生かしている可能性が高い。“スパイ活動”は情報機関員だけに限ったことではなく、余氏のような学者もやっているかもしれません」(同)

 民間人がスパイ活動をしているというのは、中国側も同じだろう。スパイ事情に詳しい国際ジャーナリストはこう語る。

「中国のスパイ活動は学者や企業の社員を巻き込んでいます。以前から米国の企業の知的財産や米軍の機密情報などを入手してきました。もちろん、中国のスパイ活動は日本でも行われています。日本はスパイ天国なので、やりたい放題です」

 昨年8月には米カンザス大学で、中国系の教授が中国の大学と近い関係を隠し、中国側に米国の情報を流していたことが発覚して騒ぎになったことがある。「水面下で合法的に企業や大学に入り込み、重要情報をじっくり盗んでいくのが、中国スパイの仕事です」と同ジャーナリストは指摘している。