逃走男の確保につながった地元への固執

2014年01月12日 16時00分

 横浜地検川崎支部から逃走し、2日後に身柄確保された杉本裕太容疑者(20)の逃走劇の全容が判明した。仲間に助けられ、47時間で約100キロ以上をスクーターや車で移動し、大逃走劇になる寸前だった。

 7日午後2時すぎに地検から逃走した杉本容疑者は近くの民家敷地内でトレーナーを脱ぎ捨てた後、大型スクーターに乗った知人と偶然に出くわしたといい、自らの運転で15キロ離れた川崎市多摩区の別の知人宅へ移動。携帯電話を借り、着替え、現金なども手にしたとみられる。知人宅は同容疑者の実家にも程近く、JRや小田急線などに乗れば、各方面へ逃げることもできたが、向かったの60キロ離れた横須賀だった。

 ただ、水際となる横須賀は重点警戒エリアで、警察の目を気にしたのか、杉本容疑者は友人らに車で迎えに来るように指示。真夜中に車を走らせ、明け方には北へ30キロほど離れた横浜市泉区の雑木林近くで車から降りていた。ここが確保現場となった。

 人が寄りつかず、身を潜めるには絶好の場所だったが、周辺500メートルにはコンビニはなく、食料を確保するのも難しく、長居するつもりはなかったとみられる。実際、杉本容疑者は再び友人らに迎えに来るように連絡していた。すぐ近くには東名高速道路が走っており、県外へ脱出していた可能性もあった。

 川崎を舞台にした逃走劇では、一昨年にオウム真理教特別手配犯の高橋克也被告(55)が、地検川崎支部とほぼ同エリアに位置する自宅から逃走していた。こちらは11日間に及んだ逃走中、川崎エリアから離れることはなく、隣駅の漫画喫茶で確保された。逃走犯は土地勘がある場所に固執することが多い。杉本容疑者のケースでも県警は川崎エリアに重点を置き、確保にこぎ着けたが、結果的には100キロにも及ぶ逃走を許していた。