洋画に吹き替え版が増えた背景

2012年07月10日 18時00分

 映画観賞者の字幕離れが進んでいる。かつては体の動きや表情と同じく、声も演技の一つと考えられ、洋画は字幕観賞が当たり前だった。ところが、最近の洋画はアニメ映画でなくても日本語吹き替え版が増えている。

 

 洋画宣伝スタッフは「若い人たちの字幕離れがすさまじく、4年前ほどから吹き替え版が増え始め、2年前から字幕版、吹き替え版を交互に上映するようになった。今ではPG12(=12歳未満の年少者には保護者の助言・指導が必要)などの年齢制限のない映画のスクリーン数は、吹き替えが6割以上」と語る。

 

 6月に公開され、観客動員数が100万人を超えた映画「スノーホワイト」のヒットの要因の一つは吹き替え版だった。宣伝会社は「興収12億円強のうち字幕が72%、吹き替えが28%」という。

 

 一方「崖っぷちの男」(公開中)は今どき珍しい字幕版のみ。宣伝会社は「映像でスリリングさを楽しめ、会話がメーンじゃないため、字幕のみです」と説明する。

 

 洋画宣伝スタッフによると、字幕版を苦手にする観客の声は「大きなスクリーンで字幕を追うのは疲れる」「いつ消えるか分からない字幕を集中して見たら、演技を見られない」「サスペンスや社会派ドキュメンタリーなどは字幕だけじゃ理解し切れない」など。

 

 映画関係者は「確かに字幕は一度に読み切れる文字数の関係で、しゃべっていることを3分の1くらいに凝縮している。ただ洋画好きなら、字幕を見つつ英語も聞いて、脳内ですべてを補完できているはずなんです」と指摘する。