謎多い16歳孫娘刺殺事件 逮捕の86歳祖父に認知症の可能性は?

2020年09月12日 11時30分

 福井市の住宅で高校2年の冨沢友美さん(16)が刺殺され、同居していた祖父の進容疑者(86)が殺人容疑で逮捕された事件の波紋が地元で広がっている。

 友美さんは2か月前まで福井市内の別の住宅で両親、兄弟と住んでいたが、7月から事件現場となった祖父・進容疑者宅に移り住んでいた。

「進容疑者の妻が入院し、1人暮らしになったので、友美さんと友美さんの両親が身の回りの世話をしによく来ていたが、7月から友美さんが一緒に住むようになった。食事など、友美さんが世話をしていて、進容疑者も優しい性格だったから、近所ではほほ笑ましく思っていた。とてもこんな事件が起きるとは思えない」(地元関係者)

 友美さんは知人に「両親がけんかばかりなので(祖父の家に)来た」と話していたというが、1人暮らしになった祖父の世話を自ら買って出た部分もあったという。

 9日深夜から10日未明、自宅1階で友美さんの胸など上半身を複数回刺した進容疑者は、犯行後、息子である友美さんの父親に自ら電話していたことも分かった。

 駆け付けた父親が大量の血を流して倒れていた友美さんを発見。110番通報し、事件が発覚。現場には刃物が残されていた。

 福井県警は現場の状況から「親族による犯行」と当初からみていた。

「一般的に“目に入れても痛くない”というほどかわいい孫に手をかけるのは尋常ではない。2人の関係性はもちろん、認知症など、高齢者特有の疾病がなかったかどうかも、今後調べることになるだろう」(警察関係者)

 認知症についてある老人ホームグループの幹部は「初期だと周囲には認知症だと分かりにくいですが、『カネを盗まれた』『悪口を言っている』など被害妄想に陥り、攻撃性が高くなります。うちのホームでも、面会に来た孫の顔を忘れて、『お前、誰だ? カネを盗みにきた泥棒か』と殴りかかるトラブルになったケースがある」と語る。

 県警は、逮捕後の進容疑者については「裁判員裁判の対象事件になる」との理由で、認否や供述については公表しない方針だという。