東京・中野区のマンションで、洋菓子店店長の野口麻美さん(38)が元交際相手に殺害されたとみられる事件で、容疑者は仕事絡みでも野口さんを恨んでいた可能性が浮上している。

 事件は先月30日、野口さんが自宅マンションで全身血だらけで死亡しているのを弟が発見。午前7時ごろには、野口さんの元交際相手で別のケーキ店店長の高橋宏征容疑者(34)が、現場から約2キロ先にある自宅マンションで、飛び降り自殺をした状態で発見された。

 野口さんは発見当時、うつぶせで倒れていて複数の刺し傷は首、背中などに集中。警視庁は、高橋容疑者が強い殺意を持って、背後から執拗に刺したとみて調べている。

 また高橋容疑者は脚立を使い、ベランダから部屋に侵入したとみられる。防犯カメラには、午前3時半から同4時過ぎにかけて出入りする様子が記録されていた。

 かつて同じ店に勤務した2人は2016年ごろから交際開始。だが昨年5月、高橋容疑者は口論になった野口さんの顔面を殴打し、全治3日のけがを負わせた。警視庁は同年8月、高橋容疑者を傷害容疑で書類送検した。

 野口さんはその後、高橋容疑者が尊敬する有名ビストロシェフのもと、新しい店で働くことになる。

 昨年11月には、高橋容疑者は当時の交際相手とともに、野口さんの勤務先を訪問。それを発見した野口さんは、警察に相談していた。高橋容疑者は事件直前、店のインスタグラムに遺書のような文面を投稿。野口さんから嫌がらせを受けたともつづっていた。

 店の関係者は「元カノ(野口さん)が警察に相談したことで、(高橋容疑者は)大好きなシェフの店に気軽に行けなくなった。元カノを恨んでいた」と明かした。