「TikTok」CEOメイヤー氏辞任は売却への布石? 買収先にはソフトバンクの名前も

2020年08月28日 11時30分

TikTok

 米国の対中国政策の余波か。中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のCEO(最高経営責任者)ケビン・メイヤー氏が辞任したことが27日、分かった。メイヤー氏は米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーの元有力幹部で、6月に就任したばかり。

 ティックトックを巡っては、対中強硬姿勢を強めるトランプ米大統領が安全保障上の脅威を理由にバイトダンスに対して米国事業の売却を要求。
 これに対し、ティックトックが24日、米政権を相手取り、トランプ大統領による米国事業禁止令などの無効を求める訴訟をカリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。

 声明では「大統領令は証拠がない。ティックトックが国家安全保障上の脅威であるという米政府の立場に強く反対する」と主張した。

 トランプ氏は6日、緊急時に経済に関する権限を大統領が握ることを認める「国際緊急経済権限法」に基づき、バイトダンスとの取引を45日後から禁止する大統領令を出し、14日には、ティックトックの米国事業を90日以内に売却するよう命じていた。

 マイクロソフト、ソフトウエア大手のオラクルや、ツイッター、米小売り大手のウォルマートも日本のソフトバンクグループと組んで買収を検討しているとも報じられている。

 英紙フィナンシャル・タイムズ電子版によると、メイヤー氏は従業員への手紙で「この数週間、政治環境が激変し、企業の構造変化で必要とされることを熟考した。私の役割はティックトックのグローバル運営だったが、米政府が米国事業売却を求めたために全く違った様子になっている」とつづっているという。

 中国メディアによると、メイヤー氏は米国事業を巡ってバイトダンスの張一鳴・創業者兼CEOとの間に意見の相違が生じたという。張氏は27日、ティックトック米国法人の女性幹部をメイヤー氏の後任に任命したと表明した。

 米CNBCテレビ電子版はティックトックの米国事業などの売却が来週にも発表されると報じ、売却額は200億~300億ドル(約2兆1000億~3兆2000億円)になる見通しだという。