GoTo東京解禁大丈夫か? 西村大臣「9月に判断」

2020年08月27日 11時27分

 新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた観光業界への支援事業「Go To トラベル」キャンペーンが始まってから1か月以上が経過した。ここに来て政府は、対象から除外していた東京都を追加することを検討し始めたが、まだ感染者が後を絶たない東京を加えて果たして大丈夫なのか? 専門家が指摘する課題とは――。

 西村康稔経済再生担当相は26日の衆院内閣委員会で、「Go To トラベル」キャンペーンを巡り、除外している東京発着旅行を対象に追加するかどうか、9月に判断する考えを示した。

 西村氏は「9月に分科会を開き、感染状況を分析し、専門家の意見をいただきながら判断していきたい」と話した。

 同事業は、宿泊を伴う、または日帰りの国内旅行の代金総額の2分の1相当額を国が支援するというもの(上限は1泊あたり2万円)。消費者や関係業者にとっては経済的なメリットが大きい一方、国民の多くが県をまたいで移動することで、新型コロナの感染拡大を招くことを懸念する声も多かった。

 実際に、いまも東京都の感染者数は多い。東京都は26日、新型コロナウイルスの感染者が新たに236人報告されたと発表した。8月は感染者数がほぼ3桁で推移。1日には過去最多の472人に上った。中旬以降は減少傾向も見られるとはいえ、この状況で「Go To トラベル」に東京都を加えて大丈夫なのか?

 ㈱観光ビジネスコンサルタンツの代表取締役西川丈次氏は次のように話した。

「正式に東京というマーケットが追加されることに決まれば、消費者にとって今以上に『旅行に行っていいんだ』という観光に対する機運が高まる。よって同事業の利用者も増えるでしょう。また、東京への出張を控えていたビジネスマンの背中を押すことにもなる」

 ただ利用者が増えると、心配なのは感染拡大が広がることだ。

「観光業者にとっては、消費者の動きが活発になっていく分、感染対策へのより一層の準備と行動が必要になってくる」

 参加事業者は利用客の検温、共用部の人数制限といった対策を義務付けられているというが、観光庁が実施した現地調査では3密(密閉、密集、密接)を避けるといった利用客が守るべき事項の周知が足りないなどとして、24施設が指導、助言を受けた。

 西川氏は「コロナ禍では観光客、利用客の安心感を得なければいけない。テーブルは隅まで丁寧に拭き、消毒は入店客に対して『ご協力をお願いします』と確実な一声運動を行うことが大切」と指摘する。

 観光業界では同事業が確実に集客につながっているという。

「新型コロナの感染拡大の懸念から積極的に集客アピールができなかったため、『Go To トラベル』は、その背中を押してくれた事業でもある」

 だが、その一方で課題もある。

「最大の弱点は、地方の中小旅行業者にとってメリットが弱いところ。期待していたのに、わずかな金額しか割り振られなかったとガッカリしている、あるいは怒りを感じている業者も多い。私は、地方の旅行業者への支援を強めるべきだと考えています。その土地に生まれ、そこでビジネスをしてきた企業こそが地元には必要な企業。地元企業を守るという点が、今回事業の内容としては弱いと感じている」

 感染拡大というリスクを押し切ってまでスタートした「Go To トラベル」は、まだまだ改善の余地がありそうだ。