日本でも認可早まる?コロナ「回復者血漿治療法」の効果とリスク

2020年08月25日 11時30分

 新型コロナ感染者を差別している場合ではない。米国の食品医薬品局(FDA)が23日、新型コロナウイルス感染から回復した人の血漿(けっしょう)を別の患者に投与する治療法の緊急使用を許可した。

「回復者血漿治療法」と呼ばれ、過去にコロナに感染し、回復した人の血液にはウイルスを攻撃する抗体が含まれることから、これを感染者に投与することで重症化を防げるというものだ。

 米国では今年3月から臨床実験が始まり、FDAによると「すでに米国では7万人以上の感染者が投与を受け、生存率が大幅に改善したという結果も出ている」という。

 米国ではこの回復者血漿の提供を呼び掛ける運動も広がっており、人気俳優のトム・ハンクスらが自らの血液を提供し、話題になった。

 死者が17万人を超えた米国では、感染して回復した人が他の人を救えることから「あなたもヒーローになれる」などと、呼び掛けられている。

 一方で安全性や効果について議論が続いてもいる。

「感染初期の患者には効果があるが、重症化した患者には効果がないというデータもある」「提供者が持つコロナ以外の病気をうつしてしまうリスクやどんな副作用があるかなど、さらに多くのデータを分析する必要がある」など、米国内の医学界では異論もある。

 FDAは「これまで知られている効果と潜在的な効用はリスクを上回っている」と緊急使用の許可を決定した。

 日本ではまだ感染者への回復者血漿の投与はされていないが、臨床研究段階で、すでに回復者から血液の採取が行われ、投与開始直前の準備段階だという。

 医療関係者は「米国が緊急許可したことで、日本でも認可が早まる可能性がある。日本では感染者差別が問題になっているが、感染者が救世主になるわけですから、差別している場合ではないですよね」と話している。