米国以外からも疑惑の目 「孔子学院」は中国共産党のスパイ養成組織?

2020年08月17日 11時30分

 ポンペオ米国務長官は先日、「孔子学院」は中国政府と中国共産党の宣伝機関から資金を得ており、党の政治宣伝や有害な影響力強化に使われているとの認識を示し、外交使節団に指定した。この指定により、今後は保有資産や職員の届け出が義務化され、新たに資産を取得する場合には米政府の事前承認が必要になる。これに中国は猛反発しているが、その実態は…。

 中国政府が国外で中国語講座などを開く孔子学院は世界160か国以上に進出し、提携する大学や企業など約540か所に設立。米国内では名門スタンフォード大学など80か所、日本でも早稲田大学や立命館大学など約20か所に設置されているが、一方で長らく中国共産党の“スパイ養成組織”との疑惑がかけられていた。

 諜報活動に詳しい内閣情報調査室の元関係者はこう明かす。

「孔子学院がスパイ養成機関との疑惑をもたれてきたのは間違いない。実際に米国ではFBIも目をつけて脅威として捜査対象にしてきた。中国語を学ぶつもりで来た学生や社会人たちを選別し、資質のあるものを巧みに勧誘して、政治スパイや産業スパイを養成すると言われている」

 米国のみならず、最近ではほかの国でも孔子学院に対する疑惑の目は厳しくなっており、一部では文化交流の仮面をかぶった侵略だとして「トロイの木馬」と警戒する声もあるほどだ。

 今回の孔子学院に対する米国の措置は米中対立のひとつだが、前出の関係者は「中国のダメージは大きい」と分析する。

「中国は香港との一国二制度を力ずくで変更することで、香港の国際金融センターとしての価値を失う。それは国際金融を通じた前時代的なスパイ活動を放棄するということ。一方で中国は代わりに孔子学院やITによる新たなスパイ網を構築してきたと言われる。それがここに来て、ITではファーウェイやTikTokのように締め出しを食らい、孔子学院も厳しくなった。米国にもくろみをことごとく潰されている」

 世界の覇権国家を目指すといわれる中国にとって情報は何よりも重要だが、それを先読みした米国による中国包囲網は着々と強化されているようだ。