コロナ禍で大量に余っていたが…学校夏休み短縮で一転生乳不足!?

2020年08月12日 11時18分

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、政府が要請した小中高の臨時休校による学校給食停止で、今年の春は学校給食用の牛乳が余ったが、今度は学校の夏休み短縮を受け、一転して原料となる生乳の不足が懸念される。

 主産地である北海道は2年前の9月の北海道胆振東部地震による大規模停電の影響で、全国の5割強を占める生乳生産がストップし、不足となった。今年は学校休校や緊急事態宣言の影響により生乳が大量に余った。

「都府県に定期的に出荷する生乳のキャンセルが続出。キャンセル分は道内の乳業メーカーが引き受け、バターやチーズの加工向けに振り分けたが、乳製品の土産を大量に買ってくれていた中国人観光客が消えた。頼みの綱は都市部の駅の土産物店やデパートだったんですが…」(道内の酪農業者)

 コロナ禍による巣ごもり生活で家庭では菓子やパン作りが盛んになり、テレビ番組での「バターに免疫力がある可能性がある」といった放送が拍車をかけ、5月初旬にはバター不足に陥った。

「大手乳業メーカーの工場すべてが、バターを加工する機械があるわけではない。とりあえず家庭用バター不足は業務用のバターで補った。その後、余乳をバターやチーズに加工したんですが、今度はバターやチーズが余り出した」(乳業メーカー関係者)

 加工品の余剰は、デパートや駅などの土産物店の営業自粛が続いた影響だった。そして今後だが「牛は熱さに弱いから夏場は搾乳が激減する。8月後半には間違いなく生乳不足に陥る」(同)という。

 同関係者によると、スーパーではヨーグルトなどが売れているものの、外食産業やホテルで30%、居酒屋では30%、デパート、駅などの土産物店でも50%程度の売り上げが戻っただけだという。

「2年前に輸入量を増やしたバターは輸入を減らせば済みますが、問題は腐りやすいチーズ。処分にどのメーカーも頭を抱えている」(同)。某メーカーは売れ残ったチーズの在庫処分のため格安販売を始めた。生乳は不足しそうなのに、加工品は余る…農林水産省は効果的な対策を出す必要がある。