先延ばしされた手術を待つ患者は…医療現場がコロナで直面する新たな課題

2020年08月03日 14時00分

小池百合子東京都知事

 医療現場が窮地に立たされている。東京都では新型コロナの新規感染者数が1日に472人と過去最多を更新した。2日は292人とはいえ、陽性者が増え続ける中、医療の現場では新たな課題が浮き彫りになっている。

 緊急事態宣言が発令された4月以降、病院では新型コロナの陽性患者の受け入れにより、経営が悪化したところがほとんどだった。

 その要因は、新型コロナ専用の病棟をつくったことや陽性者の受け入れを行っている病院として、外来患者が激減したことなど。

 ほかにも、手術の数を減らして陽性者の治療に当たったことが病院の減収減益につながった。これにより、給料やボーナスがカットされる看護師らが続出。日本の医療現場は深刻な状況となっている。

 緊急事態宣言が明けてからは感染者数も減少傾向にあり、医療現場も通常の業務に戻りつつあった。ところが、事実上の第2波が到来し、感染者数は増える一方で、連日、日本各地で過去最多を更新するなど、感染拡大の勢いが止まらない。

 ある医療従事者は「コロナの患者を受け入れることで、ヒザや股関節を人工関節にする手術などが急ぎでないと延期されていた。うちの病院では歯科にも力を入れていたが、緊急性が高くないため、しばらく中止していた。この影響で、4月から6月までの手術件数が例年の半分しかなかった病院がほとんどだった」と話す。

 さらに外来患者の数も減り、病院の経営は赤字になっている。「外来患者の数は回復しつつあるが、コロナ患者の対応にはやはり人手が必要で、今後はコロナ患者の受け入れと通常の業務を並行して行うのが大変になる」と話す。

 病院がコロナの患者を受け入れるほど、手術が先延ばしになる患者も多くなる。新型コロナが終息しない限り、医療従事者だけでなく、患者の負担も増えるばかりだ。