出来が悪すぎた「百万円札詐欺」 偽札の基準は?

2013年11月07日 16時00分

 これだけレベルの低い犯罪も珍しい。オモチャの「百万円札」を両替して、現金をだまし取った高校生が詐欺容疑で逮捕された。本来なら偽札使用は「通貨偽造及び行使等」の罪にあたるが「出来が悪すぎ」として適用されなかった。大阪府警吹田署が4日、逮捕したのは府内の私立高校1年男子生徒(16)と同級生男子(15)。同日午前11時35分ごろ、吹田市のたばこ店で男性店主(76)に「万札の両替」を依頼し、「百万円札」を一万円札に見せかけて千円札10枚を受け取った疑い。すぐに偽札と気づいた店主の通報で、周囲を捜索した同署署員が2人を見つけて逮捕した。2人は容疑を認めているという。

 問題の偽札は実に出来が悪かった。ジョークグッズの「百万円札メモ帳」の表紙を2枚コピーしてのりで貼り付けたもの。一万円札の実物大だが「百万円」「見本銀行券」「1000000」などと書かれていた。同署刑事課長は「高齢の店主は脳梗塞を患ったことがあって視力も弱かったが、指の感触でおかしいとすぐにわかった」と話す。偽札を作成・使用した場合、詐欺より量刑の重い通貨偽造及び行使の罪が適用されるが…。

「ビニール袋に入れた状態で触っても偽物とわかるほど出来が悪かった。見た目も。府警2課(知能犯担当)も『こんな幼稚なものは出回っていない』と言ってた。行使でやろうとしたけど『偽札』と認定できなかった」(同課長)

 では、どれくらいの精度の「偽札」から偽造通貨行使容疑になるのか。

「本物の札を両面コピーしたもの。人に見せて、半数以上が『偽物』とすぐに言わないもの」(同課長)。つまり、パッと見て「偽物でしょ」と看破される物は「偽札」にもならないわけだ。百万円札の入手経路は1学年下の友人からだった。友人は「オモチャやで」と言って渡したそうだが、仮に「偽札として使えるで」とでも口走っていれば、友人も犯行の教唆やほう助で罪に問われる。