嘱託殺人逮捕の医師に不正疑惑が浮上

2020年07月27日 11時00分

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性に薬物を投与し殺害したとして、嘱託殺人の疑いで逮捕された医師・大久保愉一容疑者(42)に対し、不正な医師免許取得に便宜を図ったという疑惑が浮上している。

 同じく逮捕された医師・山本直樹容疑者(43)は、東京都内の大学を中退。その後、海外の大学の医学部を卒業したとして医師国家試験を2010年に受験。だが、京都府警が大学に確認したところ、卒業を確認できなかった。

 海外の大学卒業者が日本の医師国家試験を受験する場合、厚生労働省が日本と同等の教育を受けたかどうかを審査し、書類審査などを行う。

 同省の医系技官だった大久保容疑者は、08年~09年ごろ、医師国家試験に関わる「試験専門官」を務めていた。山本容疑者とは学生時代からの旧知の仲。山本容疑者が免許を不正取得できた背景には、大久保容疑者が絡んでいたのではないかという疑いの目が向けられているのだ。

 逮捕前、山本容疑者は院長を務めるED治療専門クリニックを都内にオープン。自身のSNSには、海外出張時の様子などが投稿されている。山本容疑者を知る人物は「完全予約制で出張専門のクリニック。やり手の経営者という顔もあった」と明かした。

 また、大久保容疑者の妻で元衆院議員・大久保三代氏(44)が26日に投稿したブログには「夫は(山本容疑者から)何度も、医薬品の転売依頼を受けている」「(山本容疑者は日本と海外を行き来するので)日本で医療行為を行う際に使う薬がほしいということで協力していた」などとつづられていた。

 両容疑者のことを知る複数の人物は「2人が犯罪を犯すような人間には見えなかった」と話している。

 一方で、ある医療関係者は「医師免許の不正取得を手助けしたということもあり、2人の持ちつ持たれつの関係ができたのではないか」とも指摘している。