高齢者に厳しすぎる夏 コロナ&熱中症のためのダブル防御策

2020年07月22日 11時11分

今年も猛暑の予想だ

 東京を始め、全国で新型コロナウイルス感染拡大が報じられるなか、夏本番を前にして熱中症リスクが高まっている。新型コロナも熱中症も高いリスクを抱えるのは高齢者たち。この夏、高齢者たちが取るべき予防策とは何なのか? 専門家に聞いた。

これが第2波の“足音”なのか? ここのところ東京、愛知や大阪、福岡などで、緊急事態宣言解除後の最多感染者数を記録。感染経路不明者が多く、今やどこで感染してもおかしくない状況になってしまった。

 一方で、現在の感染者の大多数が20~30代の若者で、高齢者の感染者数は春に比べて圧倒的に少ないのが特徴。そのため重症者はほとんど出ていないように見えるが、帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長の三宅康史氏は「20~30代は動くので周囲に感染拡大させるリスクがある。重症者が少ないとはいえ、実際にはECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)の稼働率もじりじりと上がっている」と警鐘を鳴らす。

 自らの死に直結するリスクを敏感に感じ取った高齢者の多くは、緊急事態宣言解除後も可能な限り“巣ごもり”を続けている。実際に新宿、渋谷、池袋といった東京都内のターミナル駅周辺を歩くと、高齢者をほとんど見かけない。

 積極的な“巣ごもり”で自らの命を守る――。完璧な自衛策がない現状で、外部との接触を断つことが最も有効な手段と言えるが、“巣ごもり”には毎年話題になる大きな落とし穴がある。それが熱中症だ。

「熱中症患者の80%が65歳以上で、60代以上になると屋内での日常生活で熱中症にかかる人が多い。また、新型コロナは持病を持っていると重症化リスクが高まることが知られているが、熱中症にかかりやすい人も心疾患や糖尿病といった持病を持つ共通点がある」(三宅氏)

 つまり、新型コロナを恐れて“巣ごもり”する高齢者のなかには、自宅にいて熱中症を発症しやすいリスクを抱えている人がいるということだ。

 ところが、電気代を節約したり、そもそもエアコン嫌いで設置してあっても使用しなかった結果、熱中症で搬送されるケースが後を絶たない。高齢者が熱中症を発症した場合の予後は「不良」(三宅氏)だというから、新型コロナで死を恐れるなら、同じく熱中症も正しく恐れて積極的なエアコン活用が必要だろう。

 とはいえ、電気代がもったいないという気持ちもわからなくはない。電気代をなるべくかけないエアコン利用術はないのか?

「まずはケチケチしてエアコンをつけたり消したりを繰り返さないこと。つけっぱなしの方がお得です。また、フィルターは2週間に1回掃除すること。1年間放ったらかしにしたフィルターだと、電気料金が25%も増えます。それから室外機の周りに物を置いて風通りを遮らない。この3つで電気代を節約できる」(大手エアコンメーカー・ダイキン関係者)

 新型コロナで換気をしたい人も多いが、室内機から遠い窓を開けて換気すると電気代を節約できるという。

 この夏、高齢者は“巣ごもり”で新型コロナから身を守り、自宅では積極的なエアコン活用で熱中症からも身を守る。ダブルの対策が必要だ。