リモート葬儀に密着! これがウィズコロナ時代の「最後の別れ」

2020年07月21日 11時56分

ウィズコロナ時代に 葬儀関連サービスの公益社がリモート参列サービスを開始

 ウィズコロナ時代の葬儀はこれが主流? 葬儀関連サービスの「公益社」が「葬儀へのリモート参列サービス」を今月中旬から本格導入した。背景には「3密」を避けるために、最後の別れが難しくなっている現状がある。リモート葬儀はその解決策となり得るのか――。

 同サービスは、新型コロナウイルス感染症の影響や、遠方に住んでいるために葬儀に参列できない人が、弔う気持ちを表現できるサービスとして導入された。利用者(葬儀を営む喪主やその関係者)がスマートフォン、タブレットを用意すれば会場に準備されたWi―Fi、カメラホルダー、三脚などの機材を利用して葬儀の様子を撮影、配信することができる。

 本格導入に先立ち、5月から大阪の一部の会館でテスト運用を行い、利用者からは高い評価を得たという。

 同社の広告代理店関係者は、本格導入のきっかけについて「コロナ禍で3月末に、海外にお住まいの肉親の方が、日本でのご葬儀に参列できない状況があって、フェイスタイム(ビデオ通話)を使用して葬儀に参加されたということが始まりでした」と説明する。

 配信環境の整備が重要になるので、喪主が高齢の場合、撮影して配信するのは難しい部分もありそうだが、「息子さんやお孫さんが、撮影と配信を担当できる場合もありました」。他の親族がカバーすることで補えるケースもあったという。

 このコロナ禍で葬儀に対する“意識改革”も確実に進んでいる。

「これまで葬儀を撮影すること自体、『不謹慎じゃないか?』という見方もあったのですが、それが大きく変わりました。また高齢者で移動が困難な方や、遠方にお住まいの方も、葬儀に参列して弔いの気持ちを表す場になる。ニーズは今後、ますます増えてくるのではないかと思います」(同関係者)

 最近では作家の阿川佐和子氏が実母をリモート葬儀で見送ったことを明かすなど、この形式は徐々に広がりつつある。

 さらに、肉親や大事な人を失った人たちに対する「グリーフ(grief=深い悲しみ)ケア」というサポートの面でも、リモート葬儀は重要な役割を果たしそうだ。

「コロナ禍で、面会もできないまま最後のお別れとなると、どうしても残された家族は悔いが残ります。たとえリモートでも、親族同士をつないで故人の思い出を語るなど、しっかりと最後のお別れができたら気持ちの整理にもつながります」(葬儀関係者)

 ウィズコロナ時代においては、まだまだ人と人との接触が制限されるだけに、新しい葬儀の形が今後も模索されるのは間違いない。近い将来、配信環境の整備だけでなく、配信や遺族ケアまで丸ごとパッケージとなったサービスが誕生しそうだ。