1975年8月1日に開館した「性神の館」(栃木県宇都宮市)が6月29日に閉館した。博学な館長(66)による解説も名物だった。

 入場料を払ってからまず目に入ってくるのは、「金精大明神」だ。ここには多くの男根が祭られている。すぐ横には、愛知県小牧市の田縣神社で行われる豊年祭で使われていた巨大な男根がある。

 性神の館には、民俗風習を楽しく学べるものが数多く展示されていた。江戸時代に大奥で使われていたディルドーはべっ甲製。長さは20センチ以上、太さは3~4センチある。「女性器愛液用採取器」として使われていた「ぺいこのいんぽ」は、液体が3リットルほど入るような大きさをしている。自然界の不思議を感じることができるのは、「世界最大のクジラの性器(男女)」だろう。女性器の両側には乳房がついており、割れ目は50センチぐらいにわたる。

 性神の館は、秘宝館のようにも感じられるが、展示を見ていくと、自然石や自然木から作られた「性的古代発掘物」もあり、真面目なのだ。

 館長はこう語る。

「本当はまだまだやりたかったんですよ。地主が土地を別の目的で使いたいということで、営業を続けることができなくなってしまったんです。とりあえず、庭に50万で倉庫を建てました。そこに展示物を一度収納して、機会があればまたどっかでやりたいと思ってます。田縣神社の巨大な男根は、引き取り手を探しているところです。この施設は、父親が開設し、私が2代目になります。この施設にはエロエロなものを展示していないので、『性文化伝承博物館』だと思っております。喜多川歌麿が描いた春画は、先祖代々引き継いできたものです」

 性神の館が再開され、館長の名解説をまた聞くことができる日を待ちたい。