ホテルの「食材偽装」は氷山の一角

2013年10月29日 16時00分

 阪急阪神ホテルズの運営するレストランなどでメニューと異なる食材を提供していたことが判明した偽装問題で、同ホテルズ傘下の「ザ・リッツ・カールトン大阪」でも同様の問題が発覚。ミシュラン1つ星を獲得したレストランでも偽装が行われていたことで波紋が広がっている。

 同ホテルズが運営する東京、大阪の8ホテルと1事業部の23店舗で47種類の商品にメニュー表記と異なる食材が使われていた。大阪新阪急ホテルでは「若鶏の照り焼き九条ねぎのロティとともに」が九条ねぎではなく、一般の青・白ねぎが使われ、六甲山ホテルでは「自家菜園のサラダ」が自家菜園以外の野菜が添えられているなどした。さらにミシュランガイドで4年連続1つ星を獲得していたリッツカールトン大阪の中華「香桃」では「車海老」と表示しながら安価なブラックタイガーを使用していたことが明らかになった。

 食品ジャーナリストの椎名玲氏は「阪急阪神ホテルズのレストランはメニュー表記が細かい点が気になっていた。食材は時季や仕入れ先の変化で1年中同じ物を揃えるのには無理が出る。シンプルなメニュー表記で、旬の食材や付け合わせの野菜を提供したりするのが普通だが、阪急阪神ホテルズは激しい競争の中で食材の良さをうたい、自分たちのクビを絞めた。かなり悪質で、三流居酒屋並みのアイデアです」と断罪する。

 阪急阪神ホテルズの出崎弘社長は24日会見し「偽装ではなく、スタッフの連携ミスからの誤表示」と強弁し、客目線に立っていないことでも批判を招いた。
「今回の問題は氷山の一角。似たようなことをしている一流といわれるホテルは山ほどある。メニューの内容を細かく聞いた際にきちんと説明できるところは教育が行き届いていて、信用できるのでは」(椎名氏)

 客を欺いた罪は重い。