青森市のデリヘルに勤務していた20代の出稼ぎ風俗嬢が、新型コロナウイルスに感染し公表されたニュースは、世の風俗愛好家をドキリとさせただろう。風俗嬢から客を割り出すことは意外に容易だが、逆に自分が感染した場合、店側に伝えるべきなのか? バレたくないから黙っていることはできるのか。


 当初、青森市は濃厚接触者の客を特定できないということだったが、デリヘル店から協力が得られ、客25人と同僚2人が判明。すでに客2人と同僚2人の陰性が確認され、さらに5人の客が検査予定だ。もっとも残りの客18人とは連絡が取れていないという。

 感染が確認されたデリヘル嬢は茨城県在住で、3日に東京・新宿区のホストクラブを利用していた。4日に新幹線を使って青森市へ行き、デリヘルで働いた。つまり、出稼ぎ嬢だった。9日に発熱、10日に陽性と分かった。

 もしコロナ感染者が判明したデリヘルを利用していたら、客は黙っていることはできるのか。

 風俗関係者は「多くのデリヘル店では電話番号で客を管理しています。常連になれば名前で登録してありますよ。もちろん客は偽名を使っているでしょうが、番号はつながるものです。新規の客でも後から風俗嬢に『NG客にしたい』と言われることがあるので残してある。もし風俗嬢に感染が分かったら、濃厚接触した客は分かると思いますよ」と指摘した。

 風俗だけに家庭持ちは隠したいだろうが、店にはしっかり連絡先を把握されているようだ。店舗型風俗店と違い、特にデリヘルでは、店と客は電話でやりとりするため、連絡はつきやすい。

 ただ、逆についてはどうなるか分からない。

 風俗嬢は「お客さんが独自に検査を受けて感染が分かった場合、自分まで連絡があるのか不安です。だって、お客さんは風俗に行ったことをできるだけ隠すじゃないですか。店に『感染しました』と連絡してこないですよねえ」とこぼした。

 自身が濃厚接触者であることを知らないまま、風俗嬢が接客を続けることになったら、ウイルス拡散につながってしまう。

 風俗業界にはコロナ以前から出稼ぎシステムが確立されていた。地方の人手が足らない風俗店に都会から風俗嬢が派遣され、一定期間ガッツリ働いて稼ぐことは嬢にとっても店にとってもウィンウィンだった。コロナ禍においても出稼ぎの仲介者が暗躍していることは本紙既報の通り。

 つまり今回の青森市のケースは偶然ではなく、予測できたことなのだ。

 隠せないし、迷惑もかける。ここは素直に自己申告しよう。