地上イージス計画停止を喜ぶ中国、トランプ米大統領の反応は?

2020年06月16日 16時20分

 河野太郎防衛相は15日に秋田県と山口県で進めてきた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画を停止すると表明した。迎撃ミサイルを発射した後、ブースター部分を自衛隊演習場内などに確実に落とせない技術的問題が分かり、周辺民家などの安全確保にハードウエア改修が必要になったと理由を説明。「コストと配備時期に鑑みてプロセスを停止する」と述べた。安倍晋三首相には12日に報告。15日に秋田、山口両県知事に電話で伝えた。

 今後のミサイル防衛の在り方は、国家安全保障会議(NSC)で議論する意向を示した。

 北朝鮮のミサイルに対応するため、米国から購入する大型装備の配備計画が事実上白紙に戻り、安倍政権の責任が問われる。安全保障政策のずさんさも浮き彫りとなった。

 この決定に喜んだのが中国だ。共産党機関紙、人民日報(電子版)が速報し、関心の高さを示した。その記事には「日本の選択を尊重する。地域の安定のため、しかるべき貢献をした!」などと評価するコメントが書き込まれた。

 中国は米国と対立を深める中、ロシアと関係を強化。イージス・アショア配備は、強固な同盟を誇る日米が構築する中ロ包囲網の一環だとして警戒していた。

 一方、心配なのは米国の反応だ。トランプ政権は北朝鮮や中国の脅威に対抗し、米軍戦力のアジア太平洋地域へのシフトを急ぐと同時に、日本にも防衛能力の強化を通じて同盟への貢献を求めてきた。今回の日本政府の決定で、中朝をにらんだ日米の防衛強化が足踏みするのを懸念しているとみられる。

 トランプ大統領は米国製兵器を各国に売却することで政治的得点をアピールしてきた。11月の大統領選を控え、同氏が日本の計画停止にどのような反応を示すかが注目される。日米が近く始めるとみられる駐留米軍の経費負担を巡る交渉にも影響する可能性がある。