岐阜県岐阜市で、店舗型風俗店に勤める20代女性が新型コロナウイルスに感染していたことが発表され、衝撃が走っている。これまでも「風俗店で感染者がいても不思議ではない」というウワサはあったが、ここまで具体的に発表されることはなかった。日本におけるコロナ禍は、いまのところ終息に向かいつつあると見られている。だが、コロナをきっかけに“卒業”を考えている風俗嬢が急増。業界にとっては深刻な“冬の時代”となりかねない。

 岐阜市の発表によると、女性は岐阜と神奈川に自宅があり、働いていたのは岐阜駅周辺の店舗だという。7日に頭痛の症状が出始め、9日にPCR検査を受けたところ陽性と判明。味覚と嗅覚障害の症状も出ていた。

 岐阜駅周辺には全国的にも有名なソープ街があるが、店名や業種は明らかになっていない。

 風俗ライターは「岐阜にはナマを売りにする店もあって、濃厚サービスに定評があります。北陸地方からお客さんが来るほど、人気のソープ街です」と指摘する。感染が拡大しないことを祈るばかりだ。

 日本では感染拡大のピークは過ぎたように見えるが、コロナ禍が残した爪痕は深い。風俗業界はいま、危機的状況になっているという。

「緊急事態宣言が出されていた期間は、例年に比べて売り上げが8割も減りました。事務所の家賃の支払いにすら困るほどのレベルです」。こう話すのは、都内のデリヘル関係者だ。

 宣言中の営業自粛も考えたが、同業者が営業を続けるということで休業はしなかった。

「ウチだけ閉店したら、働きたい女性たちは営業している店に移籍してしまう。そうなったら女性がいなくなってしまい、営業を再開しようと思っても、できなくなってしまいます」(前出の関係者)

 もちろん風俗嬢たちもコロナは怖い。あるデリヘル嬢は「指名が集まる人気の子は貯金があるのか、緊急事態宣言の最中は出勤しない人が多かったですね。働く側としては、常連客だけなら信頼感があるのでいいのですが、指名じゃないフリー客がつくのが怖いんですよ。それでも出勤する子たちは相当な覚悟を決めているか、何も考えてないかですよね」と明かした。

 これまで風俗店での感染例が具体的になったケースは多くはなかった。

「実は働いている店と同じエリアにあるデリヘル店に『クラスターが発生した』とウワサになったことがあります。その店のホームページを確認したら、もう削除されてしまっていた」(前出のデリヘル嬢)

 水面下ではコロナの恐怖を感じることが多々あったわけだ。

 緊急事態宣言が出る前と後では、明らかに業界内の空気が変わってしまった。

「出勤自粛を続けた女性の中には、もう戻ってこない子も出てきています。休み中に今後の人生を考えたのか、コロナをきっかけに辞めてしまうのです」(前出のデリヘル関係者)

 コロナのような想定外の事態が起きたときに風俗だけで働くのはリスクが大きいということで、いわゆる“昼の仕事”を探し始める女性も出てきたというのだ。

「安定感が違いますよ。風俗だけではとても不安です」と前出のデリヘル嬢。“業界卒業”の動きがコロナによって広がり、しかも加速している。

 いまはコロナが終息に向かっているように映るが、もし第2波が現実になれば自粛ムードに逆戻り。なかには「特別定額給付金の10万円で風俗通いを復活させよう」という風俗ファンもいるだろうが、女性に感染させないよう、せめて対策だけは怠らないようにしてほしいところだ。