東京都の小池百合子知事が7月5日投開票の都知事選に向け、再選出馬の表明時期を慎重に探っている。都議会で新型コロナウイルス対策の補正予算が成立見通しとなっている会期末の今月10日を節目とする、との見方は自身が否定。コロナ対応の優先姿勢から、18日の告示日直前との観測も出ている。
 コロナ禍を追い風に敵なし状態だったが、ここに来て、カイロ大学卒業を巡る学歴詐称疑惑が改めて浮上した。そのためコロナ対応ではなく、学歴詐称疑惑への対応が、都知事選の焦点となってきた。

 ノンフィクションライターの石井妙子氏が先月末に出版した「女帝 小池百合子」で、小池氏は「エジプトのカイロ大学を卒業していない」と指摘されたのだ。小池氏はこれまで「カイロ大卒業」しかも「首席卒業」と公言しており、学歴詐称は公職選挙法の虚偽事項公表罪違反に問われる大事となる。

「小池さんは本当に恐ろしい女ですよ。普通だったらポーズでも反論するのに何もしないで、堂々としている。あの肝っ玉はハンパない」と話すのは、小池氏の古巣の自民党関係者だ。

 そんな中、カイロ大学が8日付で「小池氏が1976年10月にカイロ大学文学部を卒業したことを証明する。正式な手続きにより卒業証書は発行された」との声明を出した。しかも、駐日エジプト大使館がSNSに声明文をアップしている。永田町関係者は「学歴詐称疑惑は今になって始まった話でなく、国会議員時代も前回の都知事選の時にも噴出してきた。前回はフジテレビの番組で卒業証書を証明として見せていたが、本物かどうか見分けがつかないものでグレーのままでした」と話す。

 誰が何と言おうが、大学とエジプト国がお墨付きを与えた限り、それを覆すことは不可能だ。

 コロナ対応で連日、テレビの前での露出を欠かさない小池氏は再選へ向けて、自民、公明、都民ファーストの会、連合東京などの支援にこぎ着けた。有力な対抗馬は、出馬を表明している中では、立憲民主党、共産党が支援する元日弁連会長の宇都宮健児氏しか見当たらない。学歴詐称がシロなら、再選は盤石か!?