中国の国家安全法制で混乱の香港 お店もアプリで「民主派」「親中派」色分け

2020年05月25日 16時00分

混乱の香港(ロイター)

 香港人が二分されつつある。

 中国の王毅国務委員兼外相は24日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見し、香港への国家安全法制の導入について「外部勢力が深く干渉し、国家の安全に重大な危害を加えている」ためだとして正当化した。「香港の運営は中国の内政だ」と強調し、批判を強める欧米諸国をけん制した。

 香港では24日も民主派による同法への反対デモが行われ、数千人が参加したとされる。香港警察は少なくとも180人を違法集会の疑いなどで逮捕したと発表した。王氏はこうした抗議活動が「(香港に高度の自治を約束した)『一国二制度』への巨大な脅威となっている」と主張、法整備の必要性を訴えた。

 香港の実情について、ユーチューブチャンネル「ゆあチャン」で情報発信している中国人ジャーナリストの周来友氏はこう語る。

「香港では、市民の間での対立が顕著となってきました。現在、商店を“民主派”と“親中派”に色分けするという現象が起こっています。民主派と認定されれば黄色、親中派と認定されれば青色となり、それがスマホのアプリ上に表示されるのです。消費者はその色によって利用する・しないを決められるようになり、政治思想によって香港人の心のつながりも分断されるようになりました」

 高度な自治を求める民主派は、米議会に介入を要請するなどしており、香港の混乱はさらに激化している。

「新型コロナウイルスの対応に世界中が追われる中、香港で中国主導の一国二制度導入が着々と進められています。日本人の知る“魔都香港”は、いずれその姿を消してしまうのかもしれません」と周氏は話している。

 英国が約150年も統治していた香港と、中国本土は政治も文化もまったく異なる。混乱の香港はどうなるのか…。