政府・与党は今国会で検察庁法改正案の成立見送りを決めたが、ツイッターデモで株を上げた人、下げた人さまざまだ。

 改正案反対派から英雄視されているのが自民党内で、毅然と反旗を翻した泉田裕彦衆院議員(57)だ。

 ネット世論が盛り上がりを見せる中、ツイッターで「強行採決は自殺行為。与党の理事に強行採決なら退席する旨伝えました」と書き込み、その後、内閣委員を差し替えられた。これに反対派のシンボル的存在となっていた小泉今日子は「もうなんか、怖い」とツイートし世論に火をつけた。

 法案採決が見送られ、「泉田氏がヒーローだ」「反対した自民党の議員は応援する」と称賛されているが、党内の目は冷ややかだ。

「元新潟県知事の泉田氏の選挙区は新潟5区。次の衆院選で野党統一候補に噂されているのが、室井佑月氏と結婚した前県知事の米山隆一氏です。米山氏の結婚が話題になったので、慌ててパフォーマンスに出たとの見方がもっぱら。米山夫婦は揃って検察庁法に反対していただけに争点も消せて、抜け目ない」(党関係者)

 法案先送りで「画期的成果」と沸く野党勢だが、立憲民主党の福山哲郎幹事長(58)は、原動力となったツイッターのハッシュタグで、しっぺ返しを食らっていた。

 参院予算委員会の集中審議で、政府諮問委員会の尾身茂会長(政府専門家会議副座長)への言動が「失礼極まりない」「敬意がない」と批判され、ツイッターでは「#検察庁法改正に抗議します」に引っ掛けた「#福山哲郎議員に抗議します」が一時、トレンド1位に躍り出た。

 ツイッターデモが盛り上がりを見せていた中で、福山氏はこの“民意”を無視するワケにはいかず「今後は丁寧な質疑をしたい」と謝罪に追い込まれた。これまでも役人へのパワハラまがいの態度が問題視されていたが、いい薬になった!?