コロナ禍交付「ご当地新ナンバー」事情 「他県狩りの被害」これで軽減?

2020年05月09日 16時00分

11日に誕生する新しい地方版ナンバープレート

 緊急事態宣言下で都道府県をまたいだ移動の自粛が叫ばれるなか、県外ナンバーの車へのイタズラや、さらし行為の“他県ナンバー狩り”が全国的に問題となっている。それが、見たことがない地名ナンバーの出現で被害が軽減するかもしれない。国土交通省は地方版図柄ナンバープレートを11日から交付する。新たに17地域が加わり、見慣れない地名も多い。探られたくない地域性とともに、新ご当地ナンバーの面々をご紹介――。

【内紛の千葉】群雄割拠ならぬ弱小乱立となるのが千葉県だ。これまで「千葉」「成田」「習志野」「袖ヶ浦」「野田」「柏」と6つもあったところに「松戸」「市川」「船橋」「市原」と4つも増えて10になる。「知床」「苫小牧」が加わる北海道の9つを超え、東京都と並んで、都道府県では全国最多タイとなる。

 これまで導入条件とされていた「複数の市町村の集合体」が緩和されたことで、それぞれの市が単独で手を挙げた。県下各市の足並みの悪さや不仲が如実に出た格好ともいわれる。

 いずれも全国区とはいえない地名で、特に「習志野」から独立した「市川」と「船橋」は図柄入りナンバーでは、ともに名産の梨がデザインされてしまう始末。「習志野の方が高校野球の強豪校で有名だったのに…」「自衛隊習志野駐屯地が有名だから力強いナンバーだった」と残念がる人も多い。

 マイナーな分、千葉県外に出ても「どこの県?」「地方から来たのか?」とイタズラされないで済むかも!? ちなみに東京ディズニーランドを抱える浦安市は「浦安」「舞浜」での独立を画策していたが、登録車数が基準に満たない上に、隣接する市川市に“抜け駆け”され、「習志野」のまま。千葉県西部は分断され、浦安エリアはナンバー飛び地となってしまった。

【足立王国の崩壊前夜】首都・東京で長年、不評だった「足立」ナンバーが、大ピンチに陥った。東京東部の7区をカバーしていたが、足立区への勝手な偏見から「ガラが悪い」「運転が荒い」など散々で、特に江東区の豊洲や東雲など湾岸エリアに越してきたタワマン族からは忌み嫌われていた。

 今回、江東区が「江東」、葛飾区が「葛飾」を掲げて晴れて独立。残された足立区以外の4区(荒川、台東、墨田、江戸川)でも続けとばかりに“脱藩”を企てる動きが出ており、かつて「品川」「練馬」と東京23区内の御三家ナンバーの一角を占めた雄は、マイナーナンバーに転落しかねない。

【歴史マニア垂ぜん】皇室や日本神話にゆかりのナンバーが3つも誕生した。三重県の伊勢市、鳥羽市、志摩市などの「伊勢志摩」、奈良県の橿原市、高取町、明日香村、田原本町、三宅町の「飛鳥」、島根県の出雲市、仁多郡、飯石郡の「出雲」だ。

「伊勢志摩」は皇室の祖先とされる天照大神をまつる伊勢神宮のおひざ元。「飛鳥」は飛鳥時代の首都で、万葉集でも多く読まれたゆかりの地。「出雲」は縁結びのパワースポットで知られる出雲大社があり、日本最古の歴史書・古事記でも記されるなど神話の舞台でもある。

 ナンバーの図柄も「伊勢志摩」は伊勢神宮の鳥居、「飛鳥」は赤やオレンジで彩られた朱雀、「出雲」はヤマタノオロチが描かれ、他のナンバーとは違い、歴史を感じさせる。もし街中で見かけるようなことがあれば、その神々しさに“越境者”だったとしても、さらし行為なんて、とてもバチ当たりでできない!?