自粛緩和に「北海道の教訓を思い出せ」医療過疎地域・離島渡航が危ない

2020年05月08日 16時00分

 東京都の新型コロナウイルスの新たな感染者数が7日に23人になるなど、5日間連続で100人を下回り続けている。全国に目を向けると、特定警戒都道府県以外では感染者数が抑えられており、ゴールデンウイーク明けから休業要請や外出自粛の緩和をする自治体も出始めた。

 しかし、これに「北海道の教訓を思い出してほしい」と警戒感を強めるのは旅行業関係者だ。

 北海道の教訓とは、2月に感染者が急増したため独自に緊急事態宣言を発令し、外出自粛要請や休校措置などを講じて一度は収束させたものの、3月19日の同宣言終了に伴う自粛解除後に第2波が起こって、4月に再び緊急事態宣言を出さざるを得なくなったことだ。

 前出の関係者は「特定警戒都道府県の人たちは自粛の長期化で、緩い地域ができたら反動で人がそっちへ動く可能性は高い。第2波でさらなる長期化を招く可能性を残すよりは、経済的に厳しくても東京や大阪が終息するまで我慢して足並みを揃えるべき」と訴える。

 リスクはほかにもある。離島への渡航だ。

「現在も海外渡航は事実上の禁止状態。そうなれば旅行好きの人たちが目を向けるのが国内の離島です。もともと海外のような非日常を味わえると人気が高い」(同)

 しかし、離島は医療過疎地域で医師が常駐していない島もある。万が一、新型コロナが持ち込まれてクラスターが発生すれば、多くの人命を危険にさらすことになるのだ。

 こうした状況を踏まえて、感染リスクが比較的低いとみられているアウトドア関連の組織すらも警鐘を鳴らしている。日本甲虫学会は「ライバルが少ない今年は○○島が狙い目」「(自粛で)今年は○○島は安上がり」といった採集のための渡航をほのめかすSNS投稿を指摘して、固有種が多い離島への渡航自粛を求める声明文を発表した。また、日本野鳥の会でも渡り鳥目当てに移動することの自粛を求めている。

 都道府県によって対応がバラバラなことにより発生するリスク。経済は大事だが、こじらせてしまっては元も子もない…。