バレバレ「コロナフェイクニュース」騒動 本庶教授が巻き込まれたワケ

2020年05月01日 16時00分

本庶佑氏

 名声を利用しただけなのか、それとも――。2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授(78)が「新型コロナウイルスが中国で人為的につくられた」と発言したとするフェイクニュースが海外で拡散し、本庶氏が同大のホームページで内容を否定する声明文を公開する騒動になっている。

 フェイクニュースはインドなどで報じられ、SNSなどを通じて、英語やヒンディー語を含む複数の言語で拡散。投稿の一つは、本庶氏が4月下旬、中国の研究所がウイルスを製造したと述べ「センセーションを引き起こした」と記載した。

 本庶氏は、同大のホームページに英語と日本語で声明文を発表。

「新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、苦痛と経済的損失を受け、前例がないほど世界中が苦しんでいるさなかに、私と京都大学の名前が、偽の告発と誤った情報を拡散するために使用されていることに、私は非常に驚いています」と内容を否定し「当該疾患の起源に関して根も葉もない主張がまかり通ることは、極めて危険で破滅的なことです」とした。

 医学界の権威として、多くのテレビ番組などでも見解を求められている本庶氏は、PCR検査を増やすことや、有効性が示された海外の治療薬の導入、病態解明と治療薬開発のために研究費を投入することなどを提言しているが、新型コロナウイルスの起源については発言していない。

 なのに、すぐにバレそうなフェイクニュースが報じられたのはなぜか。ネットニュース関係者は「米国が非難しているように、中国が怪しいという主張は世界中にある。そうした一派が、単純にノーベル賞受賞者のネームを利用した可能性が一つ。一方、都合の悪い側が、否定されるのを見越した上で、あえて発信した可能性もあり得るのでは」と指摘する。

 いずれにせよ、本庶氏にとっては迷惑以外の何物でもない。