9月入学制浮上も学校再開見えない子供のストレスとどう向き合う?

2020年04月30日 16時00分

「9月入学制」の検討に言及した安倍首相(ロイター)

 新型コロナウイルス禍で多くの小中高校や大学は休校となっている。休校が長期化しているのに伴い、安倍晋三首相が新学期の時期を5か月ずらす「9月入学制」検討に言及した。学習の遅れなどを心配する知事や野党幹部が変更を求める声を上げ始めたのが、急浮上の背景にある。しかし喫緊の問題は、学校再開の見通しが立たない中、友達に会うことや、外で思い切り遊ぶことができなくなりストレスがたまっている子供たちに、大人はどう向き合えばいいのかだ。専門家に聞いてみると――。

 長く続く休校に、学校側は子供たちの学習の遅れを取り戻そうと、オンライン授業を試みるなど必死だ。だが、子供たちが持つ悩みの多くは、運動不足や友達と会えないストレスだろう。

 さらに政府は29日、緊急事態宣言を延長する方向で調整に入った。感染拡大に歯止めがかからず、5月6日の期限で解除するのは困難と判断したからだ。

 まだまだ休校は延長になりそうで、親子での「ステイホーム」も続きそうだ。家でできることは限られておりイライラから親子喧嘩なども増え、ストレスはたまる一方だ。

 臨床心理士で心理カウンセラーの溝渕由理氏はこう解説する。

「現在の状況に子供たちは少なからずストレスを感じていると思います。まずは、この状況をなんとかしなければと焦らずに、子供たちに共感することが大切です。子供に『ストレスがかかるね』とか言ってもなかなか分からないと思うので、『学校行けなくて、友達と会えなくて物足りないね』とか『寂しいね』『もっと遊びたいね』などと共感してあげることが一番ではないか」

 子供に共感した後、するべきことがある。

「共感してあげるようなことをポツリポツリと親御さんが子供さんに言うことで、子供さんも何か言うと思います。そこを取り上げて、例えば『本が読みたい』とか『映画が見たい』などと言われたら一緒にDVDを借りてくるとか、本を選ぶなど行動につなげていくといいでしょう」と話す。

 だが、親に素直に心の中を打ち明けられない子供や、ストレスをため込んでしまう子供もいる。どうすれば、察知できるのか。

 溝渕氏は「ストレスがたまってくると、爪かみや頭のかきむしり、全身がわけもなくかゆくなったり、過食または食欲不振など、普段と違った動作が見えてくる。それを見逃さず、すくい取ってあげてほしい」と呼びかける。

 緊急事態宣言下、子供たちは友達に会うことはできない。親ができることは、子供に寄り添って行動することだという。

「本を読むことや、映画を見ることは精神活動の一環です。一緒に本を読んだりすることで、友達と会えなくても親御さんと共通の話題で行動できれば、ほとんど埋められると思います」

 自粛ムードにストレスがたまるのは、大人も子供もみな同じ。大人は子供の理解者として、この危機的状況を一緒に乗り越えるという意識を持つことが大切だ。