ニューヨーク州住民がWHO提訴「初動対応怠り甚大被害招いた」

2020年04月22日 16時25分

 新型コロナウイルスによる感染拡大が止まらない米国・ニューヨーク州の住民が今週、世界保健機関(WHO)を相手取り、賠償を求める集団訴訟を米連邦裁判所に起こした。パンデミックの宣言が遅れたことや、中国の初動対応への警戒を怠ったことで、甚大な被害を招いたとしている。今回のパンデミックをめぐりWHOを提訴したのは初めて。

 米FOXニュースによると、原告団はニューヨーク市の北に隣接するウエストチェスター郡に住む医師を含む3人。同郡は米国で感染が広がった発端の場所とされ、死者は20日現在で776人に上っている。訴状によると、原告団はWHOが郡の成人約75万6000人に及ぼした損害に対する賠償を要求。「WHOは新型コロナウイルスが確認された時点で対応を誤り、対処を間違った。情報や確信がありながら中国での新型コロナによるパンデミックを隠蔽した」として同機関を強く非難している。

 原告団はまた、WHOが米国を含む世界各国に感染を拡大、もしくは助長したとして、その責任を追及する構えだ。賠償額については不明。

 テドロス事務局長が指揮するWHOについてはトランプ米大統領が先週、「中国寄りだ」と批判し、同機関への拠出金停止を発表している。

 そんな中、中国と開発途上国で構成する「77か国グループ」は今週、パンデミックと戦うWHOの役割を高く評価。開発途上国の感染症対策として情報提供や技術指導、訓練など支援しているとして、テドロス体制を全力で支持するとの共同声明を出した。中国共産党の広報機関「中国網」が報じた。

 そのテドロス氏は20日のブリーフィングで「われわれを信じてほしい。最悪の事態はまだ先だ」とし「その悲劇を防がなければならない」と述べた。

 同氏はまた、トランプ氏の批判についてWHOは新型コロナ感染について情報隠蔽はないと反論。WHOには米政府機関の疾病予防管理センター(CDC)職員も勤務しており「初めから米国に隠し事はしていない」と主張した。