米CNN「金正恩氏重病説」の真偽

2020年04月22日 11時20分

金正恩氏(朝鮮中央通信=ロイター)

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が政権発足以来、最大のピンチを迎えている。米CNNは政府当局者の話として、正恩氏が緊急手術を受けた直後「重大な危機に陥っている」と伝えた。一方、韓国政府は、米国の報道を完全に否定している。

「正恩氏、重大危機」のニュースは、韓国の北朝鮮専門ネットメディア「デイリーNK」も20日に北朝鮮内部の話として「正恩氏が12日に心血管系の手術を受けた」と報じた。

 正恩氏の“健康不安説”はこれまで何度も取り沙汰されており「海外から医師を平壌に呼んで治療が繰り返された」と伝えられていた。正恩氏は糖尿病、心疾患などに加えヘビースモーカー。また正恩氏が15日、祖父の金日成国家主席の生誕を祝う「太陽節」を欠席したことで、健康状態の深刻な悪化に直面していることは間違いないとみられている。

 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「新型コロナは心臓病にかかった人や喫煙者の健康を害します。思い当たる正恩氏が、新型コロナを恐れるあまり極度のストレスで健康悪化しているかもしれません。また、北朝鮮は昨年から『白頭の血統』を合言葉に、正恩氏の妹の金与正氏を後継者に内定することで全会一致を目指し動いています。米国政府は、正恩氏がもうトップでいるのは限界だと判断して、米メディアに情報を流したのでしょう」と語った。

 では、なぜ韓国は米報道を否定したのか。

 同関係者は「韓国政府は北朝鮮に関する情報を常に国防部から入手している。正恩氏の重病説を否定した背景には、朝鮮人民軍の動きに大きな異変がなかったからです」と指摘する。

 まだ、切羽詰まったほどの“重大危機”にはなっていないというところなのだろうか…。

 これまで北朝鮮は新型コロナの「感染者ゼロ」と主張していたが、世界は信じていない。

 日本の政府関係者は「新型コロナが終息しないまま与正氏の新政権となったら、新型コロナに感染した北朝鮮からの亡命者が活発に移動し、朝鮮半島は大変な事態に発展します」と語っている。