外国メディアが安倍首相を追い詰める

2013年09月11日 11時00分

 2020年東京五輪開催の決め手となったと大評判の安倍晋三首相(58=顔写真)の演説が、かえって自身の首を絞めかねない事態となっている。安倍首相は最終プレゼンテーションで東京電力福島第1原発の汚染水問題について、力強くこう言い切った。

「状況はコントロール下にある」「汚染水の影響は原発の港湾内0・3平方キロ内で完全にブロックしている」

 これらの発言の真偽を外国メディアが検証し始めるという。

 安倍首相のプレゼンを受けて東電は9日の会見で「一日も早く安定させたい」と困惑気味。原発のタンクから高濃度汚染水が漏れた問題では、タンク近くの井戸の地下水から、放射性ストロンチウムなど1リットルあたり3200ベクレルを検出したことも明らかになった。汚染水が地下水と混じっている恐れがある。9日、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長はウィーンで開かれた定例理事会の冒頭演説で、汚染水漏れを「緊急に取り組む必要のある課題」と強調。今秋、2回目の調査団を日本に派遣すると述べた。

 福島の取材を続けるジャーナリストは「安倍首相のプレゼンにはビックリしました。『コントロール下にある』と思っている日本人はいるのでしょうか? 東電も驚いているでしょう。汚染水など原発問題について外国メディアの関心は高い。今後、続々と日本入りしてこの問題を取材活動をすることになる。そうなると『コントロール下にある』という発言が厳しく検証されてしまう」と指摘する。

 プレゼンの内容がよかっただけに、逆にアラが見つかったときは大変だ。実際、メディア関係者は「欧米のテレビ局で作るジャーナリストらのチームが福島入りする。今月中に第1原発近くの海に船を出して、放射線量を計測する」ことを明かした。

 原発300メートル以内まで近づいて海面上、海水、海底の砂などの汚染状況を調べるそうだ。その内容は世界中で大々的に報じられることになるという。しかし、見方を変えれば、安倍首相の言葉にうそがないのなら、それを海外のメディアが無料で取材して証明してくれるかもしれないわけだ。

 安倍首相は汚染水対策に、死力を尽くすしかない。