里帰り出産ダメ 病院は受け入れ拒否 コロナに追い詰められる首都圏の妊婦

2020年04月18日 16時00分

 新型コロナウイルスの感染拡大で、医療崩壊の危機が叫ばれているが、出産を控えた妊婦の検診や事前入院の受け入れの拒否が相次いでいる。

 首都圏では感染者の増加で医療現場がひっ迫。感染への不安から、里帰り出産を検討する妊婦が増えている。

 日本産婦人科学会は「急な帰省分娩の検討はぜひ避けてください」「分娩は予約された数によって体制が決まっています。特に地方の小規模施設は急に受け入れる余裕がないところがほとんどなので、移動する方がリスクになりかねない」と呼びかけている。

 里帰り出産を検討したある妊婦は、転院の準備の段階で、政府が7都府県に緊急事態宣言を発令。転院予定の地方の病院から突然転院を断られ、新たに産院を探さなければならなくなった。

 この妊婦は、予定より早い陣痛があったため、救急で病院へ駆け込んだが断られた。「他にも2件の総合病院を回ったが、初診は停止していて断られた。車内で出産した」と明かした。

 感染者が全国で最も多い東京都では、PCR検査で陽性となった妊婦が、あらかじめ分娩予約していた病院から拒否される事案も発生。他にも、風邪の症状が出ていない健康な妊婦が、臨月なのに事前入院を拒否されたケースが都内で確認されている。SNS上にはこうした内容のツイートが投稿され、問題を抱える妊婦が多いことがわかる。

 東京都の小池百合子知事は17日の定例会見で、感染リスクの高い妊婦を対象にタクシーチケットや衛生用品を配布すると発表。だが、妊娠中の20代女性は「妊婦検診にはタクシーで行けても、いざ出産という時に病院に断られたら…。小さな病院はもう閉まっている」と不安を口にする。

 コロナ禍の医療現場では、出産を控える妊婦までもが追い詰められている。