五輪決定圧勝劇の裏 北朝鮮が「4票」に協力

2013年09月10日 11時00分


 東京は大票田の欧州以外にもアジア、アフリカ諸国の票獲得が必要不可欠。


 そこで、5年前から日体大の名誉博士の称号を授与するなどし、関係を深めてきたクウェート王族のシェイク・アハマド氏に協力を依頼。同氏はアジア・オリンピック評議会会長でアジアに多大な影響力を持つ。ここに安倍首相の要請も加わってアジア、アフリカで合計7票を見込めるまでになったという。


 残る4票の出どころは意外のひと言。日体大は昨年11月、柔道、レスリングなど学生を連れて北朝鮮へ遠征した。純粋な民間交流で、友好関係を築くことが目的。現地では、北朝鮮選手との合同練習も行った。


 北朝鮮は日本と国交がなく、たび重なる軍事挑発により経済制裁の対象になっており、外務省が渡航自粛を出しているのは周知の事実。だが、現地では、金永日労働党書記(66)、さらに金正恩第1書記(30)の叔父で後見人と言われる大物・張成沢国防委員会副委員長(67)といった国家のトップクラスと面会した。「同じアジアの仲間のために」と同国の張雄IOC理事へ働きかけることを約束してくれたという。


 しかも、これだけではなかった。「北朝鮮とつながりの深いアフリカの委員3票をまとめていただいた」(松浪理事長)。60票の中には北朝鮮ルートの4票が入っているというのだ。お騒がせ国家との約束だけににわかには信じがたいが、金正恩氏はスポーツ好きで来日経験があるとされる。近隣国での五輪開催に何かしらのうまみを感じたのだろうか。


 意外な支持がなければ、60票も集まらなかったのは事実。東京悲願の五輪開催の裏には関係者のなりふり構わぬ奮闘があったことだけは間違いない。

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