自殺率と学力テストに因果関係?

2012年06月22日 12時00分

 2011年の厚生労働省の人口動態統計によると、秋田の自殺率は32・3で1位。2位は岩手(28・3)、3位は宮崎(27・7)。低い県は奈良(17・4)。福井(18・4)、徳島(18・8)と続く。秋田が突出しているのはなぜか――。過疎化が進んだ地域で、悩める住民の〝居場所〟となるカフェを運営する住職、破産した自分の経験から中小企業経営者の悩みに乗るNPOを立ち上げた男性など自殺者減少に取り組む人々の姿を取材したドキュメンタリー映画が、いくつかの答えを推測した。

「希望のシグナル 自殺防止最前線からの提言」(7月13日までポレポレ東中野で公開。その後、順次全国公開)を製作したのは都鳥伸也監督(29)と撮影・編集を担当した兄の拓也氏(2人は双子の兄弟)。

 まずは経済的困窮だ。自殺リスクを抱える人は「金を持たず、支えてくれる友達が少ない」(伸也氏)。

 人口減少も理由の一つ。過疎化した地域で自殺者数が変わらなければ、人口に対する自殺率は上がる。

 県の良い面さえ自殺につながっているという指摘もある。伸也氏は「秋田は小学生の学力テストが全国1位だったり、社長の数が多かったりするけど、それが良くないのかもしれない。偏差値が高い人や、エリート社長は挫折に弱い」と分析。優秀な人材を育成したところで、打たれ弱い人間を生み出しているとすれば皮肉だ。

 自殺を減らす〝特効薬〟はない。地道な取り組みしかないのが現状だ。都鳥両氏は、もしも悩んだときは相談に乗ってくれる機関を頼ったり、行きつけのカフェやスポーツサークルなど、日頃からひと息入れられる〝逃げ場〟を見つけておくべきだと提案する。