クリエーター狙う取り込み詐欺急増

2013年09月08日 11時00分

 あらゆる詐欺師は、カモをだますためにどんどん進化している。古い手口の“取り込み詐欺”も進化し、インターネットを使った悪事が横行、いや急増している。これまでは、ブランドバッグや電化製品などが取り込み詐欺犯のターゲットだったが、最近はアニメ、イラスト、漫画など、メールだけでやり取りができるものが狙われている。取り込み詐欺最新事情を緊急リポートする。

 取り込み詐欺とは、代金後払いで商品を注文し、商品を受け取っても、代金を払わない手口。これが発展し、電話やネットで遠方の新規取引相手を開拓して商品を仕入れ、最初はおカネを払って、信用させながら取引の規模を大きくし、最後に大量の仕入れをして代金を払わずにドロン。不正に仕入れた商品は闇の問屋を挟んで、ディスカウントショップなどに流れる仕組みだ。

 その最新の手口として狙われるのがクリエーターだ。商品は漫画やイラスト、アニメで、すべてネット上だけで完結するのが特徴だという。

 事情通は「有名映画やアニメの権力者をかたり、ハンドルネームで募集した売れない漫画家やイラストレーターなどの格安コンテンツを買った後に『キミは才能があるから、僕の正体をキミだけに教える』などとおだて、大作やCMでのデビューをちらつかせて、メールで作品を納品させたらドロン。ネットを使った取り込み詐欺の被害相談が激増中です」と明かす。

 詐欺師は「極秘プロジェクトだからフリーメールを使っている」ともっともらしい言い訳をするという。

 詐欺事情に詳しい本人訴訟コンサルタントの野島茂朗氏は「被害相談に来た人に聞くと『バーチャルな世界にまひして、自分だけ特別なチャンスが来たと一人浮かれてカモになった』と言ってました。自分だけ特別だから、他人には言わないというのが、あらゆる詐欺の被害者の共通点です」と指摘する。

 メールで取り込んだ作品をカネにする方法もほぼ確立されている。

「ネット上で販売場所はたくさんあります。会社名やサイト名を変えて全く別組織として売られるので取り込まれたら最後。他の作品とセットの形で売られたら、作者は気付きません。著作権は製作者にあっても、詐欺業者が著作者とかたって、第三者に販売したり、譲渡したりした場合、著作者は第三者に対して責めることはできないのです」(野島氏)

 売買価格はビックリするほど高い。出版関係者は「ライトノベルやコンビニ本の表紙になるようなイラストは1枚1万~10万円で売買される。白黒も1枚5000円ほど。自治体や企業のポスターになるレベルの大作は100万円、イメージキャラクターになるようなものは、50万円くらいになり、商品説明やキャンペーンPRなどのアニメは3分100万円の値段がつく」。クリエーターは特に要注意だ。