米情報機関「虚偽で過少報告」と断定 感染・死者数巡り中国と不毛な応酬

2020年04月03日 16時00分

トランプ大統領(ロイター)

 米ブルームバーグ通信は「中国当局が発表する新型コロナウイルスの死者数と感染者数は虚偽で、過少報告だ」と結論付ける機密報告書を米情報機関がまとめ、ホワイトハウスに提出したと報じた。

 複数の当局者の話として伝えたが、事実なら感染力や致死性を判断するのに不可欠なデータの信ぴょう性が崩れかねず、国際社会で批判が強まるのは必至だ。

 トランプ大統領は1日の記者会見で「報告書は受け取っていない」と否定しつつも「中国の数値は少なめに見える」と疑念をにじませた。

 これに対し、中国外務省の華春瑩報道局長は2日「根拠のない非難」と報道を否定。米側が感染症対応の「失敗の責任を押し付けようとしている」と反発した。

 華氏は、中国の情報公開の不透明さを指摘する米国のペンス副大統領とポンペオ国務長官を名指しした上で「うそだらけの政治家」が中国を中傷していると痛烈批判。「感染症を最初に確認した国が米国であれば、中国政府よりもうまく対応できていたのか」と述べ、中国の対応は適切だったと主張した。

 中国政府はこれまでの発表で、他国と異なり感染者数に無症状の人(3月30日までに1541人)を含めず、国際批判を受けて1日から公表を始めた。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の最新の集計で、中国の感染者は約8万2000人、死者は約3300人。中国が都市封鎖などの厳しい措置を取ったとはいえ、米国(感染者約24万人、死者約5600人)に比べかなり少ない。

 感染者ゼロと主張している北朝鮮のほか、イランやロシア、インドネシア、サウジアラビア、エジプトも過少報告が疑われている。

 中国を巡っては、湖北省で感染者が出た当初も情報を公開せず世界的な対応の遅れにつながったと米国が非難している。

 世界保健機関(WHO)の1日の記者会見でも「中国の数字は信用するに足るのか」との質問が相次いだが、緊急事態対応を統括するライアン氏は「特定の国が何か隠していると決めつけることには慎重を期さなくてはならない」と述べるにとどめた。