五輪招致へ「有力者総動員態勢」

2013年09月05日 11時00分

 東京が立候補している2020年五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が7日に迫り、舞台となるブエノスアイレスに東京招致関係者が続々と向かっている。本紙昨報のように、東京が6億円以上をかけて臨む最終決戦。日本時間8日午前3時45分の投票、同5時の発表に向け、有力者の総動員態勢で追い込みをかける。

 あるイベントから目玉が消えた――。

 知的障害者のスポーツ活動を支援する公益財団法人「スペシャルオリンピックス日本」のウェブサイトで、有森裕子理事長(46)の大会欠席が告知された。同法人は4日に東京・国立競技場でチャリティーランニングを行う。女子マラソン五輪メダリストの有森氏はその看板だったが、五輪招致活動のためブエノスアイレスへ緊急出動。2日に出発した。

 日本陸連を通じて招致への協力要請を8月に受け、ブエノスアイレス行きを決断。自らがトップを務める団体の重要行事を控えた有森氏への依頼は、東京側のなりふり構わぬ姿勢の表れといえる。

 関係者によると「ロビー活動をしてほしいとのことだった」。有森氏は10年、日本人初の「IOC女性スポーツ賞」を受賞。IOCでは、ナワル・ムータワキル副会長(51)、セルゲイ・ブブカ理事(49)が陸上競技出身という接点がある。過去に国連人口基金親善大使を務めるなど社会貢献活動が多いこともアピール材料になる。

 さらなる東京の総動員ぶりを物語るのが、全日本柔道連盟の不祥事で同連盟会長とともに国際柔道連盟(IJF)理事を8月21日に辞任した上村春樹氏(62)の必要論だ。

 8月24日、全柔連と日本オリンピック委員会(JOC)の緊急会談で、IOC総会出席者のリストから削除されたと報じられた。ところが、東京招致関係者は諦めていない様子。全柔連側には「不本意かもしれないが、国益ということで了承いただければ」と上村氏の現地入りへの働きかけもなされたという。

 全柔連の広報担当者は2日、「前会長のスケジュールなどは把握していない」とした。会長職を離れた現在、上村氏は全柔連の一メンバー。代表としてIOC総会に出席できなくても、個人の立場で招致活動を行うことは可能だろう。

 さらに、「エリザベス女王のようなオーラがある」とその演説力を絶賛され、かねて招致活動参加が望まれていた高円宮妃久子さま(60)のプレゼンテーションでのスピーチも決定。渋る宮内庁を東京側が動かした。

 16年大会開催都市を決めるIOC総会には総勢62人の代表団で臨んだが、今回は100人。6月にスイスでプレゼンテーションを行い、IOC関係者に顔を広めた体操女子のロンドン五輪代表・田中理恵(26=日体大研究員)、女子レスリング・ロンドン五輪金メダリスト小原日登美氏(32)も総会へ。5日に現地でアスリート中心の記者会見が行われる。