株価暴落で孫氏「マスク100万枚」大丈夫? 世界のコロナ株安がソフトバンクG直撃

2020年03月20日 16時00分

100万枚のマスクを寄付すると表明している孫正義氏

 マスクどころではない!? 孫正義氏(62)率いるソフトバンクグループの株価が暴落している。6000円台だった株価は新型コロナウイルスの影響をモロに受け、2000円台にまで大幅下落。心配になるのは孫氏がツイッター上で公約した100万枚のマスク寄付だ。孫氏には9年前の東日本大震災時の“前科”があるだけに「本当に実行されるのか…」と怪しむ声も上がっている――。

 3連休を前に試練が待っていた。ソフトバンクグループ株の19日終値は前日比17・22%安の2687円。2016年7月以来、4年ぶりの安値で、一時は20%安まで売られる場面もあった。

 これで7営業日連続の下落。時価総額は一時6・79兆円となり、通信子会社のソフトバンクの6・98兆円に逆転された。
 暴落の原因は新型コロナウイルスの感染爆発により、各国の株式市場が軒並み急落したこと。投資事業が主な同社の保有株に、巨額の含み損が生じている可能性が高いと判断された。

 例えば、同社のビジョン・ファンドが投資する米配車サービス「ウーバー・テクノロジーズ」は18日の米国市場で22%の大幅続落。2月中旬につけた直近高値から、およそ3分の1の価値の14・82ドルになってしまった。

 今年2月の決算発表で孫氏は株主らを前に「自社の企業価値が実態よりも低く評価されている」と強気の発言を繰り返したが、格付け会社の「S&Pグローバル・レーティング」は今月、健全性と格付けを重視した財務運営に疑問が生じたとし、ソフトバンクG株の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。

 市場関係者は「破竹の勢いで会社を大きくしてきた孫氏は、これから伸びるであろう会社を見極め、そこに集中投資。株価が沸騰したところで売り抜いてきた。中国のEコマース企業『アリババ』に初期投資し、いまや数兆円の利益を出しているのは有名な話。その“目利き力”にここ数年、陰りが見え始めているのかもしれない」と話す。

 本業が怪しくなったことで、あの“公約”の行方も気掛かりだ。

 孫氏は11日、約3年ぶりにツイッターを更新し、新型コロナ感染の有無を調べる「簡易PCR検査」のキットなどを100万人に提供したいと投稿した。だが、ネット上で「医療現場に混乱を招く」と指摘されると「評判悪いから、やめようかなぁ」と撤回。代わりに品薄状態が続くマスク100万枚を介護施設などに寄付すると表明した。すでに海外の工場に直接発注したという。

 前出市場関係者は「マスク1枚をちょっと高めに50円としても、5000万円。いくら本業が苦しいとはいえ、さすがにその程度の約束をぶっちぎるとは思えない」と笑うが、孫氏には“前科”がある。

 孫氏は11年3月の東日本大震災直後、声高らかにポケットマネーから100億円を被災地に寄付すると宣言。しかし、1か月が過ぎても寄付完了の報告はなく、次第に怪しむ声が上がりだした。

 ようやく寄付が実行されたのは震災から2か月以上経過した5月。その内訳も100億円のうち40億円はソフトバンクGが中心となって設立した「東日本大震災復興支援財団」に対してだった。

「この財団を発起人・会長として発足させたのが孫氏。要は自分のところに40億円を拠出したのです。そこから復興のために有益に使ったのでしょうが、当時はガッカリした記憶があります」(テレビ関係者)

 とはいえ、有事にひと肌脱ぎ、100億円や100万枚のマスク寄付などは、庶民には決してできないことなのは確か。孫氏の名言に「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」があるが、いまも前進していると願いたい。