感染爆発イタリアで緊急措置を決定 医学生1万人を試験免除で即現場投入へ

2020年03月20日 16時00分

イタリアはいま、医療崩壊の危機にある(ロイター)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策を検討する政府の専門家会議後に行われた記者会見で、連発されたのが「オーバーシュート」という言葉。「爆発的患者急増」という意味で、国内の現状に関して、どこで感染したか分からない感染者が増えていることに「(欧州で起きているような)オーバーシュートを起こしかねない」とした。

 カンヌ国際映画祭の開催延期も決まったその欧州で、実際にオーバーシュートが起きた最たる例がイタリアだ。新型コロナウイルスによる死者数が中国を超えて世界最多となる中、同国政府は卒業試験を控える医学生約1万人に対し、試験を免除して、即戦力として医療現場に投入することを決めた。

 ロイター通信によると、イタリア政府は今年卒業予定の医学部の学生について、医師免許に必要な最終試験を免除し、例年より8~9か月前倒しして医師として就労させるとしている。この特例措置について担当のマンフレディ教育大臣は「不足している医師をすぐに補うということだ」とし、新卒医は全国のクリニックや高齢者ホームに配置すると説明した。

 感染拡大が止まらないイタリアでは北部が医療崩壊に陥り、その余波を受けて他の地域でも医療システムの危機が迫っている。北部を治める政党「同盟」のマッテオ・サルヴィーニ書記長は「(北部の)ロンバルディア州では崩壊状態だ。集中治療室(ICU)の病床は埋まり、人工呼吸器も全て使用中だ」と訴えた。大都市ミラノがある同州には約800のICUの病床があるが、ここ3週間で1135人がICUを必要としていたという。

 一方、ローマでは半国有石油・ガス会社のENIが数億円を投入して、同市にある病院を新型コロナ感染者専用の医療施設に改装。今週から患者を受け入れている。また、北西部の港町ジェノバではフェリーを病院船として利用し、当局は今週中に患者を受け入れたいとしている。