新型コロナウイルスに感染が判明した後に「ウイルスをばらまく」とフィリピンパブなどに行ったことが問題視された愛知県蒲郡市の男性(57)が18日、入院先の医療施設で死亡し、衝撃が走った。重症化しやすいとされる糖尿病でも高血圧でもなく高齢ともいえない50代の死の裏にあったのは…。また、この男性が訪れたパブなどキャバクラ業界は「感染の危険性が高い!?」と全国的に敬遠ムードが高まっている。だが「キチンと対策していれば、今こそ絶好機」と主張する事情通がいる。いったいどういうことなのか――。

 男性が陽性と判明したのは4日のこと。保健所から自宅待機を要請されたが、家族に「ウイルスをばらまく」と宣言して、タクシーで居酒屋へ。その後、フィリピンパブにも行き、カラオケなどをして大騒ぎ。

 パブに男性の知人から連絡があり、本人も「陽性だ」と認めたため、店側が保健所や県警に通報した。保健所職員が接触者に連絡し、店舗内などを消毒、県警蒲郡署員が防護服を着て出動するなど対応に追われた。

 男性を接客した女性従業員は陰性だったが、男性が座っていたソファを後から利用した別の女性従業員が陽性になった。パブ側は業務妨害として被害届を提出。愛知県警が捜査を進めていた矢先の死亡だった。糖尿病歴もないこの50代の中年男性は、実は肝細胞がんを患っていたのだ。

「基礎疾患があり、免疫力が低下し、感染、重症化しやすい患者さんは易感染宿主(コンプロマイズドホスト)といいます。糖尿病や高血圧などだけではなく、ありとあらゆる慢性疾患で免疫力は低下しますから、この男性は高齢ではないものの、肝細胞がんによる免疫力低下で感染しやすかったとはいえるでしょう」と分析するのは、銀座泰明クリニックの茅野分・院長だ。

 重いがんに侵されたうえ、コロナにも感染した男性は「ウイルスをばらまいてやる」とやけくそになったのか…。

「精神医療でいえば、他人にうつる可能性があるとわかっていて来店しているのですから反社会性人格障害。他者のことを顧みない無責任な犯罪行為。感染した人はそこまで考えた行動を取る責任があると考えるべきでしょう」(茅野院長)

“コロナテロ”ともいわれた男性には傷害罪や威力業務妨害罪が適用されるはずだったが、県警は、容疑者死亡のまま書類送検する方針。

 万一、自分がコロナ感染者となっても、決してヤケになったりせず、責任ある行動をとらなくてはならない。男性の行動は図らずもそんな教訓を残したわけだ。

 また、この男性の行動により、ただでさえ客足が遠のくキャバクラ業界にとってもマイナスになりかねない。そもそも、キャバクラやパブに罪はない。しっかりコロナ対策をしていれば恐れることはなく、むしろ“朗報”がある。

 風俗ライターは「キャバクラに行ってマスクをお土産に持っていったらキャバ嬢たちからものすごく感謝された。今ならモテモテです」と興奮してこうまくしたてる。

「コロナのせいでキャバ嬢はヒマしてる。客を持っている子は本指名があるけど、常連をつかんでない子は本当にヒマ。そういうキャバ嬢が狙い目で、延長すれば大喜び。延長からのアフターも期待できそうです」

 元ホストのキャバクラスカウトも「キャバ嬢にもマスク難民やトイレットぺーパー難民がいるのでそれらを持参すると“家庭訪問”しやすいかも。ホワイトデーの回収率が悪くて“ギャラ飲み”をするキャバ嬢もいるくらいなので、アフターは誘いやすいでしょう」と明かした。

 いくらコロナ不況といえども“お持ち帰り”はウデ次第だろうが、こんなときだからこそ「良客になればモテる」というもう一つの教訓だ。

 どこのキャバクラも従業員の手洗い、うがいの徹底や店内の換気、消毒と万全の対策をとっている。モテたいのなら客もしっかりコロナ対策をしていくべきだ。

 もちろん体調の悪さを自覚しているなら、来店を控える気遣いもモテる男のたしなみだ。