イタリアなぜコロナ禍「握手、ハグ、チークキス説」は本当か

2020年03月11日 16時00分

ローマでマスク姿の配達員(ロイター)

 新型コロナウイルス禍が深刻なイタリアが大変な事態になっている。10日に政府から発表された感染による死者が前日から168人増えて631人に。感染者は977人増で1万149人に上った。同日から全土で個人の移動を制限し感染拡大防止を図っているが、終息の見通しは立っていない。刑務所では暴動も。発生地の中国から遠く離れた国で、なぜここまで感染が拡大しているのか――。

 地域別で感染者が最も多いのは大都市ミラノのある北部ロンバルディア州で5791人。次いでエミリアロマーニャ州が1533人、ベネト州が856人と多く、依然として北部に感染者が集中している。ただ首都ローマのあるラツィオ州でも116人の感染が確認されている。地元メディアによるとロンバルディア州については、人の出入りをより厳しく制限する徹底的な「封鎖」を実施するべきだとの議論も起きているという。

 感染者も死者も中国に次ぐ2番目の多さ。なぜイタリアが欧州で突出して感染者が多いのかは様々な見方がある。海外メディア関係者が語る。

「陽気なイタリア人はあいさつで握手、ハグ、頬を合わせるチークキスをするからという説も出ていますが、真偽は不明。バール(喫茶店)で気軽に酒を飲み交わし、週末は3~4世代の家族や友人と4~5時間かけておしゃべりをしながら夕食を楽しむ習慣もある。母や祖母の料理をみんなで食べる習慣と、死者の平均年齢81歳を関連づける見方もありますが、医学的には原因は解明されていない」

 一方、感染の有無を調べるPCR検査の実施件数が欧州の中でも多いことが指摘されている。イタリア国内の検査数は約5万4000件で、フランスの10倍ともいわれ、日本(1万9420件=10日現在)の2・8倍にあたる。

 いずれにせよ、感染拡大が収まる気配はない。

 そんな同国に対し日本政府は、ロンバルディアなど5州について、滞在歴のある外国人の入国を11日午前0時から拒否する措置を取った。イランの一部とサンマリノにも同様の対応を取った。

 首都ローマやファッションとサッカーで知られるミラノなど、観光資源に富むイタリア。だが、ロンバルディア州などに限定していた移動制限が全土に拡大され、各地で4月3日まで居住地域外に出ることが原則禁止となった。飛行機や電車、バスなどは止めず、緊急時や仕事の必要性があれば移動を認める。外国人観光客らの帰国は制限しない。

 コンテ首相は国民に不要不急の外出を控え自宅にとどまるよう呼び掛けた。新たな首相令により今月15日までの予定だった大学を含む全校休校措置は4月3日まで延長。集会や、レストランやバールの夜間営業も禁止になった。

 穏やかならぬ情勢下、地元メディアによると刑務所では受刑者が家族との面会を制限されて暴動が発生。南部プーリア州では70人余りが脱走、依然として約20人が逃げているという。