米国沖のクルーズ船からも感染者 “姉妹船”日本の教訓生かせるか

2020年03月07日 16時00分

沿岸警備隊がヘリコプターから検査キットを届けたグランド・プリンセス(ロイター)

 乗客1人が新型コロナウイルスの感染で死亡したため、米カリフォルニア州サンフランシスコへの入港を許可されず、沖合で停泊中のクルーズ船「グランド・プリンセス」が姉妹船「ダイヤモンド・プリンセス」の経験をどう生かせるのか、世界が注視している。

 サンフランシスコ市危機管理局によると、グランド・プリンセスには現在、乗客、乗員合わせて3483人が乗船。「ダイヤモンド――」が横浜港に停泊した際の約3700人に匹敵する。

「グランド――」は2月11日にサンフランシスコを出航し、21日にメキシコに到着。その航行中に新型コロナに感染したとみられる71歳男性が、帰国後にカリフォルニア州で死亡したと4日発表された。また、男性と一緒だった元乗客2人への感染が判明。2人は現在、同州サンタローザの病院に入院している。

 米CNNによると「グランド――」は同22日、15日間のクルーズのためハワイに向けてメキシコを出航し、7日にサンフランシスコに入港する予定だったが、男性が亡くなり、2人の感染が今週になって明らかになったことから、米国の運営会社プリンセス・クルーズが調査。すると、メキシコクルーズで同感染者と一緒だった乗客・乗員62人が乗船していることが判明。当局はこの62人のウイルス検査のため、沿岸警備隊がヘリコプターで検査キットを届け、搭乗した医療チームが検査を行った。ペンス米副大統領は、21人の感染を確認したと発表した。

 乗客の一人はCNNに「乗客のほとんどが、かなりの高齢者だから心配だ」と胸中を明かした。

 そんな中、米保健福祉省の疾病予防管理センター(CDC)は、船長に乗客がそれぞれの船室内にとどまるよう要請した。

 だが、検査結果によっては乗客・乗員の今後は見通せないとCNNは指摘。同局の医療担当記者で医師のサンジェイ・グプタ氏は、約700人の感染者を出した横浜の「ダイヤモンド――」の“失敗”に触れ「相当数の感染者がいると想定される場合、検疫によりさらに感染が広がるという教訓を学んだ」とし「クルーズ船はウイルスの培養器のようなもの」と説明した。米当局も困難な選択を迫られる。