北朝鮮 今年初ミサイル発射は国際社会への“SOS”発信なのか

2020年03月03日 16時00分

朝鮮中央通信が配信した訓練視察時の正恩氏(ロイター)

 韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が東部・元山付近から日本海に向け弾道ミサイルとされる飛翔体2発を発射したと明らかにした。昨年11月以来となるミサイル発射で、金正恩朝鮮労働党委員長の意図は?

 飛翔体は弾道ミサイルの飛距離が約240キロ、最大高度は約35キロ。米朝対話が停滞する中、兵器開発を引き続き進める姿勢を示したとされる。北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、正恩氏が2日に朝鮮人民軍の「前線長距離砲兵区分隊」の火力打撃訓練を指導したと報じた。党機関紙の労働新聞は発射される「ロケット砲」の写真を掲載した。

 北朝鮮国内は新型コロナウイルス対策として、新たな入国者に30日間の隔離を義務付けたばかり。平壌市民に対しては戸別訪問による検診、拡声器を取り付けた車で衛生指導を行うなど「反ウイルス」強化に力を入れている。

 朝鮮情勢に詳しい関係者は「正恩氏は新型コロナウイルスの感染者がいないと主張していますが、果たしてどうなのか。先月26日に父親の金正日氏の生誕の地とされる白頭山を訪れた写真では、全員マスク姿でした。感染者なしは疑われています」と指摘した。

 北朝鮮は中国・武漢でウイルス発生直後から国境を封鎖。そのうえでロシア政府に対し防護服やマスク、細菌シートなどの医療物資を輸送する要請を出したという。

「中国に検査キットなどを含めて支援が頼めないのか、ロシア大使館に支援を頼んだといわれています」(日本の政府関係者)

 また水面下で日本にも支援物資の緊急要請をしたともみられる。ミサイル発射で気を引くのではなく、堂々とSOSを出せばいいものだが…。